〈朝鮮と日本の詩人 74〉井之川巨
2008年12月08日 00:00
美しい叙情的抵抗詩 舞い、舞う 朝鮮の少女たちは 回転する五月の花壇だ。 ひとりの少女は 銃殺された農夫を舞い、 ひとりの少女は たたずみ悲しむ妻を舞い、 ひとりの少女は 廃墟をさまよう子供を舞い、 …
〈朝鮮と日本の詩人 71〉古川健一郎
2008年10月27日 00:00
朝・中民族離間策への怒り 四十万の山東移民は、韮臭い息をして 俺いらの水田を荒し廻る、支那の泥犬だ。 支那官憲は、地主と共謀になり 俺いらの肉を啄む、広野の老鴉だ。 ああ 金川県の馬賊の奴まで 俺いら…
〈朝鮮と日本の詩人 70〉倉橋顕吉
2008年10月20日 00:00
わびしいアリランの調べ 怒っているのだろうか、 なだめて 居るのだろうか、「朝日」をくわえた男の 目が鋭い。 朝鮮の少女はじっと うつむいて 泣きだしそうな顔を こらえ、 扇子の紐をまいたり ほどいた…
〈朝鮮と日本の詩人 69〉植村諦
2008年10月06日 00:00
「誰が俺の目を曇らすのか」 誰が俺の目を曇らそうとするのか 誰が俺の耳を覆おうとするのか 俺は何も彼も良く知っているのだ 此のアジアの突端に日毎に行われている 不正を、不義を、偽瞞を、圧殺を- そして…
〈朝鮮と日本の詩人 68〉菊岡久利
2008年09月29日 00:00
朝鮮の火を燃やす仲間 (冒頭から33行省略) わたしの知っている朝鮮の仲間たちは 平気な顔つきでいて 皆それぞれ 胸には朝鮮の火を燃やしている 屑屋をしている仲間も 鉄道敷設に沿って進む仲間も 皆 あ…
〈朝鮮と日本の詩人 67〉川田順
2008年09月22日 00:00
新羅の人々慈しむ心情吐露 栲綱の新羅の王のおくつきは鳥けだものら四方八面に立つ 遠き世の新羅の王のおくつきを今日の夕日のしずかに照らせる 多宝塔のほそき欄干をなよびかに月の光し流れたりけり 国は亡くし…
〈朝鮮と日本の詩人 66〉階戸義雄
2008年09月08日 00:00
不屈の革命精神うたう 京城監獄に石棺そっくりの地下暗房があるという 一人の政治犯が終身禁固になっているという 盲聾唖の三重苦だという だが生まれながらの廃人ではないという かつては独立運動の首領 被圧…
〈朝鮮と日本の詩人 65〉仁科理
2008年09月01日 00:00
もっと自由で、もっと激しい怒り (冒頭から29行略) たとえば一九二三年九月一日の悲しみが 埼玉県児玉郡上里村という寒村で、一九五二年のある日、 「関東大震災朝鮮人犠牲者慰霊祭」という一つの塔になった…