〈おぎオンマのちょっと一息 24・終〉話したくなる自分のことを
2021年03月27日 15:00
駅前の串焼き屋さんに、「TKG」というメニューがある。初めて見たときは、それが何なのかさっぱりわからなかった。聞いてみると、T=卵、K=かけ、G=ご飯で、温かいご飯と生卵を混ぜて食べる「卵かけご飯」の…
〈おぎオンマのちょっと一息 21〉「大丈夫」
2020年12月13日 06:00
言葉は時間と共に変化するものなのだろう。わかってはいるが、なかなかついて行けない。「食べれる」のような「ら」を抜いた言葉に、30年前は違和感を感じていた。しかし、いちいち指摘する人は嫌いだった。いつの…
〈おぎオンマのちょっと一息 20〉息子とサッカー
2020年11月08日 14:11
久しぶりに大阪朝高サッカー部の応援に行った。ゴール近くで、選手たちの表情や、声、激しくぶつかる音にも熱中した。目の前に座って応援する中級部サッカー部員たちの「共和国の布陣みたいやな」という声や、傍でパ…
〈おぎオンマのちょっと一息 19〉「献血と血液型」
2020年10月17日 07:30
先日、献血をしてきた。献血に行くと、その日の体調などのアンケートを取る人がいるのだが、たいてい腰が低く何度もお礼を言うので、居心地が悪くなる。献血前に、看護師が少量の採血をして献血が可能かどうか判断す…
〈おぎオンマのちょっと一息 18〉「ヨングギムニダ」
2020年09月11日 14:20
幼い頃、ハルベの隣に座ってテレビを見た。プロレスが好きだったが、ドラマも見ていた。ドラマの中で死んだ人がコマーシャルに登場すると、オモニを呼んで、この人は死んだんじゃないのかと聞いた。母は表情を消して…
〈おぎオンマのちょっと一息 17〉農業への思い
2020年08月07日 09:00
同じ分会に農業を営んでいる青年Kがいる。瓢箪山分会の新年会は、男性が料理をする。Kが野菜を持ってきて、料理のリーダーとなる。畑の話を聞くにつけ、憧れが募った。
〈おぎオンマのちょっと一息 16〉ウリマルのステッカー
2020年07月10日 15:23
先週の土曜日、車で出かけた帰り、渋滞を避けて川沿いの抜け道に移った。数台の車について走っていると、後続の軽自動車が車間距離を詰めてついてくるのに気が付いた。少しだけ、嫌な感じがした。川沿いを抜けると前…
〈おぎオンマのちょっと一息 15〉車でのよい旅
2020年06月12日 14:04
夫が、4年前の5月に東京に単身赴任して借りたワンルームを解約した。この数か月は大阪にも仕事があり、週末は大阪で過ごしていた。そして3月に入ったある日、新型コロナの感染を避けるために移動を控えるよう職場…
〈おぎオンマのちょっと一息 14〉生徒との深くて暗い河
2020年05月09日 09:00
以前、担当していた中学生が暗い顔で立っているのを見かけたので、声をかけた。すると「人生ってしんどいですね」という答えが返ってきた。何を大げさなと、事情を聞いてみた。仲の良い友達が「〇〇って美人やね」と…
〈おぎオンマのちょっと一息 13〉息子の熱と新型コロナ
2020年04月16日 14:00
息子が熱を出した。口内炎ができた。喉の痛みも咳もないので新型コロナではないだろうと考えて、すぐ病院には行かなかった。熱が下がらず、翌々日に病院へ行った。受付で私が、高熱だがそのまま連れてきても良いか聞…
〈おぎオンマのちょっと一息 12〉脳の鍛え方
2020年02月29日 10:42
喉のところまで出かかっているのに思い出せないもどかしさを、毎回、味わわせてくれるのは「カタバミ」という名前だ。末っ子が中学の頃、葉で十円玉を磨くと酸でピカピカになるという実験の話をしてくれた。「ああ、…
〈おぎオンマのちょっと一息 11〉埼玉朝鮮幼稚園とオモニ
2020年01月31日 14:10
埼玉朝鮮幼稚園での生活が、人生で初めての集団生活である。当時の私の写真を見て、子ども達は「オンマ、ぼうっとした子やったやろ?」と言う。確かに要領は悪かった。昼寝の思い出がある。全員が寝静まったと判断し…
〈おぎオンマのちょっと一息 10〉外国語教育の多様化を
2019年12月02日 14:23
英語ができるようになりたいと初めて思ったのは、大学入試を控えた高3の頃だった。高1の時に英語担当の先生の何かが嫌で、授業を聞かなくなった。まったく愚かなことだ。そこから付け焼刃の受験勉強でなんとか大学…
〈おぎオンマのちょっと一息 9〉朝鮮のパスポート
2019年11月07日 09:00
結婚25周年なので、奮発して海外旅行をすることにした。飛行機で3時間の亜熱帯の国だ。夏休みも取れないほど忙しい夫に、3泊4日の旅行が可能なのか、不安を感じながら航空券とホテルを予約した。
〈おぎオンマのちょっと一息 8〉良い隣人に囲まれて
2019年09月02日 15:17
住む所は選べても、隣人は選べない。良い隣人たちに囲まれているのは、幸運なことだと思う。最初の子を産んだ年に住み始めて20数年になる。私道を挟んで15軒の家がコの字に並んでいる。この間に孫ができた人も多…
〈おぎオンマのちょっと一息 7〉私のみる夢
2019年08月02日 14:24
幼い頃ハンメから電話が来ると、まずは蔚山なまりで「学校にはちゃんと通っているか」と聞かれた。そして、何か変わったことはないかと問われ、無いと答える。「アボジは? オモニは?」と個別に確認される。要件は…
〈おぎオンマのちょっと一息 6〉分会のハルモニ
2019年06月29日 09:00
奈良との県境、生駒山のふもとが私の住む瓢箪山分会の地元だ。 同じ分会のハルモニが亡くなって、お通夜に行って来た。花見でも新年会でも、大きな声で楽しい話をしてくれたハルモニにふさわしいお通夜の席だった。
〈おぎオンマのちょっと一息 5〉痒みと苦い思い出
2019年06月03日 12:09
数年前のある朝、目が覚めると全身が痒かった。 両のまぶたはアンバランスに腫れ上がり、昔のお化け屋敷のお岩さんのような顔になっていた。マスクをつけると、その形に腫れた。見た目はともかく、痒みが強烈だった…