「人物で見る日本の朝鮮観その光と影」23人31回の連載を終えて
2005年12月28日 00:00
2年前、本紙の文化部記者から本題での連載を依頼された。私はかつて、「祖国統一新報」と「朝鮮時報」に同趣旨で執筆し、これに何人かを加えて36人分の原稿を一冊にまとめて本社から「日本の朝鮮侵略思想」(新書…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉南次郎(上)
2005年10月12日 00:00
南次郎(1874~1953)は軍人にして政治家である。陸軍士官学校卒業後、騎兵少尉に任官以後、騎兵の実戦部隊の一員として日露戦争に出陣、大尉の身をもって功四級の金鵄勲章を授与された。その南が1930年…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉宇垣一成(下)
2005年09月14日 00:00
宇垣は、非常に自負心の強い男である。それに、実に筆まめで、軍務多忙の中で「随想録」というぼう大な「日記」を3大冊も遺している。この「日記」によれば、日本国は、必ず自分を必要とする時が来ると信じている。…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉宇垣一成(上)
2005年09月07日 00:00
宇垣一成(1868~1956)は、軍人で陸軍大将、日本陸軍の大立物であり、政治家でもある。明治元年に生まれ、19歳のとき陸軍士官学校に入学し、8.15敗戦後の1956年に88歳で没するまでの宇垣の生涯…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉石原莞爾
2005年08月10日 00:00
石原莞爾(1889年~1949年)は、昭和期を代表する陸軍軍人の一人である。石原は、関東軍参謀の時、柳条湖事件を起こして満州事変に拡大し、武力をもって全満州を占領、まもなく、偽満州国を建国させた張本人…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉高浜虚子
2005年06月08日 00:00
(1874~1959)は俳人にして小説家である。和歌、俳句を含めた詩歌革新を唱えた正岡子規が明治35(1902)年に没した後、子規に兄事していた虚子は、実質的にその後を継ぎ以後の明治後半期、大正、昭和…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉浅川巧
2005年04月27日 00:00
浅川巧(1891~1931)は世俗的な意味で高名な人物ではない。本業は一介の林業技手(技師の下位)で、朝鮮に渡ってからは、本業と関連しては朝鮮の緑化事業に大きく貢献したことはもちろんであるが、それより…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉中野正剛(下)
2005年04月13日 00:00
中野は「同化政策論」中に「皇族を奉戴し、参政権を与へよ」という一項を立て「余は人類なるものの性情より推して、圧制の決して新附の民を御する所以に非ざるを説きたり。~鮮人に参政権を与ふるの準備をなすと同時…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉中野正剛(上)
2005年04月11日 00:00
中野正剛(1886-1943)は言論人にして政治家であるが、人物評価の面では難しい側面を併せ持った人物である。 初期は護憲派として藩閥政治やこれと連なる政友会を批判し、また、寺内総督の朝鮮統治政策を激…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉夏目漱石
2005年03月02日 00:00
夏目漱石(1867~1916、本名金之助)は小説家として近代日本文学中の最高峰である。英語教師、英文学者として、一部の人にしかその存在を知られなかった夏目漱石が1905(明治38)年、俳誌「ホトトギス…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉布施辰治
2005年01月12日 00:00
布施辰治(1880~1953)は弁護士である。日本流に言えば明治、大正、昭和の三代にわたって、終始一貫、「民衆の味方」「弱く貧しき無産者の友」とする立場に徹した人物であるが、併せて、あの植民地統治下、…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉吉野作造(下)
2004年12月08日 00:00
吉野は1916年6月号の「中央公論」に「満韓を視察して」というかなり長文の論文を発表する。これは、吉野にとって、その朝鮮認識において大転換をなす第二段階の始まりをなす論文であった。吉野は1916年3月…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉吉野作造(上)
2004年12月01日 00:00
吉野作造(1878~1933)は政治学者で「大正デモクラシー」の主唱者、そして果敢なる実践者として日本現代史に燦然と輝く星である。彼の唱えた民本主義は大正時代を貫く主潮となって、あの制約された時代に民…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉片山潜
2004年11月10日 00:00
片山潜(1859~1933)は、明治の初期社会主義の先達の一人であり、後にはコミンテルン(第3インター)の中央委員となり、国際共産主義運動の指導部にあって各国の共産主義運動に大きな影響を与えた人物とし…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉芥川龍之介
2004年10月27日 00:00
芥川龍之介(1892~1927)は近代日本文学を代表するあまりにも有名な小説家である。 「羅生門」「鼻」「芋粥」などの初期の作品にみられる日本の古典に材を採ったものや、ヨーロッパ、中国に材を求める、そ…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉幸徳秋水(下)
2004年09月21日 00:00
明治34年1901年4月、幸徳秋水は「廿世紀之怪物帝国主義」を刊行した。この著で秋水は、帝国主義は愛国心を経となし、軍国主義を緯となす、として、所謂、愛国心と軍国主義を批判した。しかし秋水は、日本の愛…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉幸徳秋水(上)
2004年09月15日 00:00
幸徳秋水(本名、伝次郎。1871~1911)は明治期における初期社会主義を代表する、まさに先駆的人物である。 秋水は、明治天皇の暗殺を計画したとする、いわゆる大逆事件で検挙され、絞首刑に処せられた。こ…
〈人物で見る日本の朝鮮観〉大隈重信(上)
2004年08月28日 00:00
大隈重信(1838~1922)は明治期に1回、大正期に1回、計2回、総理大臣になったことのある、近代日本政治家中の大物である。大隈の満84年の生涯を短文中に表現することは、その長い政治的経歴と、波瀾に…