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短編小説「鉄の歴史」25/ビョン・ヒィグン

「できますとも!首相さまがいらっしゃるかぎり、やってのけられないことがありましょうか」 ウンチルは感動にふるえる声でこう答えた。 「それはちがいます、ウンチルトンム」 首相同志は、かれのことばをさえぎ…

短編小説「鉄の歴史」22/ビョン・ヒィグン

首相同志は解放後も、あの多難な情勢のもとで労働者と農民の政権をうちたて、労働者には工場を、農民には土地をあたえ、子どもたちには学校をたて、日本帝国主義者が破壊した工場、企業所に新しい生命をよみがえらせ…

短編小説「鉄の歴史」21/ビョン・ヒィグン

ウンチルの胸は、金日成将軍のためにすべてささげてたたかいぬこうというもえるような忠誠心にうずまいた。 ついに、労働者たちは1号溶鉱炉をよみがえらし金日成将軍をむかえて最初の鉄を流し出した。

短編小説「鉄の歴史」20/ビョン・ヒィグン

吹雪のはげしい晩のことだった。 この日も労働者たちは、徹夜で作業を進めていた。

短編小説「鉄の歴史」19/ビョン・ヒィグン

恐怖と不安にゆがんだ顔でこの瞬間を見つめている敵もいた。腹ぐろいたくらみをすてさっていない連中もかたずをのんだ。

短編小説「鉄の歴史」18/ビョン・ヒィグン

労働者たちは、難関に直面するたびに将軍のことばを思いおこし、討論をかさねては力をあわせてそれをのり越えた。

短編小説「鉄の歴史」17/ビョン・ヒィグン

ビョンドは、だしぬけにしゃくりあげると、深くうなだれて肩をふるわせた。 かれの妻もチマのすそで顔をかくし、背中を向けた。

短編小説「鉄の歴史」16/ビョン・ヒィグン

「おまえをつれもどしにきたんだ!」 「何だって?わしをつれもどしにだって?」

短編小説「鉄の歴史」15/ビョン・ヒィグン

ウンチルの脳裏には、日本帝国主義者の水力発電所工事場で生埋めにされた父のこと、14歳のときから日本帝国主義者の鉄工場でむちうたれながら働いたこと、製鋼所へ来てからの苦役、鉱石を背負ってその重さにたえき…

短編小説「鉄の歴史」14/ビョン・ヒィグン

それは、前途に不安を感じ、なすすべを知らず、ぼうぜんとしていた人々が、将軍の教えにしたがって、怒涛のように前進しようとする姿であった。考えれば考えるほど、ウンチルは胸がはずみ、夢のような気がしてならな…

短編小説「鉄の歴史」13/ビョン・ヒィグン

「お会いしたとも。おそらく私がいちばんはじめにおめにかかったはずだ。それなのに、私ときたら…」 ウンチルはまるで罪でもおかしたような呵責を感じながら、トクマンの家を後にした。するとおおぜいの人々が工場…

短編小説「鉄の歴史」12/ビョン・ヒィグン

「な、何だって。それはほんとうか?」 「そんな人さわがせなうそをついてどうなります。町ではもううわさでもちきりですよ。これであたしたちの暮らしもかわるだろうって」

短編小説「鉄の歴史」11/ビョン・ヒィグン

「もちろん、それはやさしいことではありません。しかし、この世で労働者にできないことは何一つありません。工場も機械も、家も大砲も、飛行機も軍艦も、労働者が力をあわせればりっぱにつくることができるはずです…

短編小説「鉄の歴史」10/ビョン・ヒィグン

「そういわれてみると、まったくそのとおりです。今までわしらは、炉の壁でもつみあげてさえいればよかったで、世間のそんなむずかしいことなど、なにも知らなかったもんで…」 ウンチルは自分があまりにも世情にう…

短編小説「鉄の歴史」9/ビョン・ヒィグン

「じっとしていられないんですよ。将軍さまが政治を治めなくちゃ、わしらのような貧乏労働者の暮らしはよくなんねえという話ですだよ。将軍さまさえいらしてくださりゃ、わしらは、昔とちがって思いきり働けるという…

短編小説「鉄の歴史」8/ビョン・ヒィグン

――金日成将軍さまがきてくださればどんなにすばらしいことか!だが、ご多忙の身であるお方が、こんなところまでおいでになられるはずがない―― ウンチルが、こんなことを考えながらぼんやり立っていると、背後か…

短編小説「鉄の歴史」7/ビョン・ヒィグン

ビョンドのいいぶんにウンチルもことばを返すことができなかった。 今すぐに、口しのぎのできる仕事を見つけてやらないかぎり、さびしいことだか、工場を離れるというかれを引きとめる手だてとてなかった。けれども…

短編小説「鉄の歴史」6/ビョン・ヒィグン

「はい、そのとおりです」 「あのときも私たちは、じつに苦しいたたかいをしたものでした…」