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〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 26〉李朝仏画の最高傑作、ほとんど日本に秘匿

明治の元勲ら、威光を笠に強奪に等しい収集 現在、東京の日野原家が所蔵している高麗仏画の最高傑作品「十一面観音像」は、転々と所蔵が変わった経緯についてのエピソードが残されている。 大岡力は「朝鮮の絵画に…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 23〉石造物を起重機で破壊、中の舎利塔を奪う

バラバラに解体、ダイナマイトも使用 石窟庵の優雅な五重小塔は今もってその所在がつかめずにいる。中村が「某氏の邸宅」とあいまいな表現で、小塔の所在を推測しているが、曽禰の邸宅である節が強い。統監府時代に…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 22〉明治政府高官が競って石造遺物を盗む

二代目統監・曽禰荒助による世界屈指の五重小塔略奪 朝鮮仏教美術の結晶とも言える石塔、浮屠などの石造遺物の略奪に関する資料は、皆無と言っても過言ではない。それを知る手立ては、日本人学者の論文や著書の文脈…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 21〉高句麗、百済からの渡来人が築いた文化の原型

優美な朝鮮石造物は「富の象徴」 法隆寺金堂の壁画残した曇徴 日本人学者らは、日本仏教美術のルーツを探る絶好の研究対象物として石塔に関心を集中し、精力的に「調査」した。また、朝鮮で資産家に成り上がった日…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 20〉外部と遮断」され、「秘蔵物」扱いされた略奪品

政財界人の私有庭園に夥しい数の朝鮮石塔 「モスクワ愚連隊」や「青春の門」などの小説で、人気作家の五木寛之の短編小説の一つに、「深夜美術館」と題した作品がある。(文春文庫「日の影村の一族」に収録されてい…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 19〉伊藤博文の乱脈な蒐集ぶり、「保護」は詭弁

「高麗焼を持ってこい。あるだけ買ってやる」 「韓国併合」の前後の時期、蒐集熱が加熱するにつれ、「店先に並ぶ高麗青磁の数が日増しにだんだん多く」なり、しかも「すぐ誰かが持っていってしまう」ようになったと…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 18〉「高麗青磁」略奪の巨頭、伊藤博文

盗掘品を「正当な手段と代価で購入」と強弁 高麗青磁を所蔵する日本の美術館と個人は、口をそろえて「正当な手段と代価」を払って購入したと言う。彼らの言い分どうり、その中には敗戦後、骨董店から新たに買い入れ…

〈奪われた朝鮮文化財・なぜ日本に 17〉盗掘された高麗青磁、「99%開城一帯から」

市田次郎は朝鮮に早くから移住し「実業家」として「成功」した男である。彼が定住した大邱は、かつての新羅王国の故地であり、その周辺には古墳が至る所に群集し、貴重な遺物が埋蔵されていた。また由緒ある遺蹟と寺…