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〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 52〉パレスチナの教育問題とウリハッキョ

映画「教科書のナクバ」を観る アル・ジャジーラ制作のドキュメンタリー映画「教科書のナクバ」の日本語版完成を記念し、2月4日(東京大学)、11日(京都大学)に上映会があり、京都の会で、日本の文脈・在日朝…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 39〉見返され、はね返される植民者の欲望/梶山季之②

「族譜」(1961)で、「創氏改名」を題材に植民地官僚機構の末端で働く日本人役人の良心と苦悩を描いた梶山季之は、自身の植民地朝鮮への愛着と良心と正義感が、結局無力に終わる虚しさと悲しみをかみしめる作品…

〈続・歴史×状況×言葉・朝鮮植民地支配と日本文学 37〉「創氏改名」への良心と無力/梶山季之①

このところ植民地朝鮮出身の二世作家について集中的に再読しながら、今回は大衆小説作家としてかつて名を馳せた梶山季之(かじやまとしゆき)の朝鮮小説集を読み直してみた。2002年にインパクト出版会より刊行さ…

〈歴史×状況×言葉 37〉宮本百合子(4)/「東へ」向かう朝鮮人とは誰か?

「播州平野」の結末部で、「播州平野の国道」を荷馬車にゆられ、「(政治犯として獄中にあり釈放された)重吉に向って」「東へ」進むひろ子は、二人の朝鮮人青年と道連れになる。ひろ子がそれまで旅の道中で見かけた…

〈歴史×状況×言葉〉支配者の一員としての自覚は?

「播州平野」に登場する朝鮮人は、解放と帰郷の歓喜に満ちた、ひたすら明るい姿として描かれている。無論それらは解放直後実際に多く見られた事実だったには違いない。だがあくまでも主人公ひろ子の心象内部において…

〈歴史×状況×言葉 36〉宮本百合子(3)/支配者の一員としての自覚は?

「播州平野」に登場する朝鮮人は、解放と帰郷の歓喜に満ちた、ひたすら明るい姿として描かれている。無論それらは解放直後実際に多く見られた事実だったには違いない。だがあくまでも主人公ひろ子の心象内部において…

〈歴史×状況×言葉 35〉宮本百合子(2)/一面的で情緒的な朝鮮人の描かれ方

宮本百合子「播州平野」は、1945年8月15日の日本敗戦直後の、「激動する日本社会のなまなましい現実の姿とその意味、崩壊する権威と、戦争が破壊した国民生活の傷跡の深さ」のなかで「新しくきざし始めた動き…

〈歴史×状況×言葉 34〉宮本百合子(1)/朝鮮人との友情と、描かれない現実と

過日、関東大震災時朝鮮人虐殺90周年を考えるパネルディスカッションにて発言する機会があった。当時の日本人民衆が示した暴力性は今日も変わっていないばかりか、再生産されているという趣旨で話したのだが、発言…