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〈朝鮮民族の美66〉田琦「梅花草屋図」

絵の中の季節は早春である。裏山にも小屋の周りの丘にも残雪が残り、空は薄暗いのに景色全体が明るく感じられるのは、家を取り囲む梅の花が満開であるからだろうか。

〈朝鮮民族の美63〉李寅文「断髪嶺より金剛山を望む図」

これは同じ江原道の内陸部の断髪嶺(824㌢)から、東方へ約15キロ離れて横たわる金剛山(主峰1638センチ)の山々を望む図である。 昔はソウルや開成から200キロ近くの道を歩き、太百山脈に分け入り、断…

〈朝鮮民族の美62〉李漢喆筆「金正喜像」

この絵の主人公、金正喜(1780-1856)は朝鮮朝の名家である慶州金氏の家門に生れ、実学派の大家として名高い朴斉家について学んだ。号は秋史、阮堂など。24歳の時、父が清国への使節団で燕京(北京)に派…

〈朝鮮民族の美61〉豹菴・姜世晃「霊通洞口」

姜世晃(1713~1791)は、父が政府の高官を務めた家庭に生れ、幼い時から中国の古典に親しみ、かたわら漢詩に興味を持ち、画才にも恵まれた。したがって書にも巧みで、世人から詩書画三絶とたたえられた。

〈朝鮮民族の美60〉金弘道「松下猛虎図」

わが国に虎の絵は多いが、気迫の充満した、虎の威厳と美しさを、これほど良く表現した作品はないと思われる。 双眼はランランと輝き、鼻すじが通り、口の周りの髭は針のように真っ直ぐで硬そうである。耳は小さく猛…

〈朝鮮民族の美 59〉安堅「夢遊桃源図」

朝鮮王朝初期の大画家で、後世に大きな影響を与えながら、残されている作品が唯一点のみということで有名な画家が、この安堅である。わが国随一の山水画という名声を得ながら、正確な生年と卒年は知られていない。

〈朝鮮民族の美 58〉尹斗緒「自画像」

17世紀末より18世紀初期にかけて、朝鮮朝は中期から後期に転換する時期に当たっていた。したがって絵画の面でも、前時代の伝統的な画風を継承しつつ、新しい画風を創造する転換期に当たっていた。 この時期を代…

〈朝鮮民族の美 57〉李明郁「漁樵問答図」

漁夫と樵夫(きこり)が道で出会い、楽しそうに会話を交わしながら歩いている。 一方は長い釣 を、そして樵夫は天秤棒を持っている。この二本の強い斜線の中央に、それぞれの顔があるために、二人の顔、とくにその…