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〈朝鮮歴史民俗の旅〉風水(2)

王朝の盛衰はとりわけ都や王宮の位置によるところが大きい。高麗でも朝鮮王朝の時代にもたびたび遷都論が持ち上がり、激しい政争が繰り返されていた。風水説は遷都論議に根拠を与え政争の具として利用されもした。 …

〈朝鮮歴史民俗の旅〉弓述(1)

古い時代、中国人は朝鮮を東夷と呼んだ。夷とは弓と大の合成語で、そのいわれはこの民族に大きな弓があったことに由来する。弓を好んで使いその能力に長けていたことを表したのである。 高句麗の歴史は弓の歴史から…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉暗行御使(2)

議政府から受け取る1冊の本に、暗行御使の職務と権限が記されている。馬牌は暗行御使であることの証票。10センチほどの銅製の円形の符印である。表に馬の絵柄が刻まれ、裏には発行元が政府の尚書院であることと発…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉暗行御使(1)

朝鮮王朝は儒教の立国精神にもとづき王道政治を掲げた。王道政治とは力による覇道政治とは異なる「道学政治」のことで、「仁徳政治」とも言う。 朝鮮王朝は、「国家の治乱は、すべて君主の一心にかかわるもの」とし…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉時調(2)

美意識と感性の違いが日本と朝鮮にあると言った。時調に限らず朝鮮人は理詰めで迫る。形よりも中身を重んじ、中身は濃厚であるほどよしとする。 これに対して日本人は、中身も大事だが、まず形にこだわり、その形に…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉時調(1)

日本に俳句があり朝鮮に時調がある。どちらも短い形の歌だ。言葉を最小限に凝縮し研ぎ澄まして作られた俳句と時調には、張りつめた緊張感がある。日本には俳句のほかに短歌があるが、時調に比較されるものはやはり俳…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉シルム(2)

もうひとりの神様がいた。野見宿禰である。「日本書紀」に垂任天皇のころ野見宿禰と当麻蹴速が天覧のもとに力くらべをして、宿禰が蹴速の肋骨を蹴折って勝ったことが載せてある。肋骨を折ったという事実から、相撲で…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉シルム(1)

シルムとは日本でいう相撲のことである。その語源は諸説あるが「ヒムギョルム」がもっともそれらしい。朝鮮語で「ヒム」は力、「ギョルム」は競うことであるから、シルムの元は力くらべであったらしい。 シルムに類…