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Stranger 千葉ハッキョの教壇に立つ/北岡裕

「朝鮮学校、大丈夫なん」と幼馴染は言う。「怖いことなんて何もないぞ」と答えると「おまえに授業やらせるなんて教育的問題や。大丈夫かほんまに。朝鮮学校のみなさん、申し訳ない」。ぼくの学生時代の逸脱ぶりをよ…

Stranger 兵庫を堪能する/北岡裕

ハンバンウルという明るい可能性 9月9日。朝鮮の69回目の建国記念日とぼくの14回目の結婚記念日。無人駅を降り川べりの道をぼくは歩く。夏の余韻を残す陽射しは鋭い。道が合っているか不安になったころようや…

Stranger 東京中高文化祭で“謎”を迫う!/北岡裕

幻のアッパ丼、オンマ丼 ガンガン冷え冷え! 「ガンガン冷え冷えです!」。このことばをその日、朴鍾徳くんは何度口にしたのだろう。ジュースを売り捌き、ぼくの飲みかけの缶コーヒーまで氷水に浸そうとする。「お…

Stranger青年の眩しさに立ちくらむ/北岡裕

朝鮮大学校学園祭の隠れた英雄たち ガチャ、コンと響く音 みんな前を見ていた。快晴の空の下、ステージ上の出し物は切れ目なく続き、惜しみない歓声が送られていた。 ところで学園祭当日、学生食堂一階から響いて…

Stranger小平の大祝祭で立ち尽くす/北岡裕

東京都小平市 朝鮮大学校の焼肉 朝鮮大学校創立60周年記念大祝祭の日。私は朝鮮大学校の門をくぐった。友人によると大祝祭への日本人参加者はほぼゼロという。今こそだいぶ慣れたが、取材の度に感じる「自分は招…

Strangers in Pyongyang(下)企みの一杯を 平壌ホテルのバーで/北岡 裕

話し続けた万景台の李さん 都内で開かれたパーティでのこと。ひとりの紳士が私の横に来て囁いた。「万景台の李昌燕さん、結婚しましたよ。お子さんも生まれて現在産休中です」。「ホントですか!」。私の驚いた表情…

Strangers in Pyongyang(上)駿馬のおっさん、万里を駆ける/北岡裕

訪朝団の役割とは何か。それは日朝友好親善と草の根交流。日朝関係が緊張を増す中、その果たす役割と責任は想像以上に大きい。 私たちのことばと行動は、そのまま現地の人の日本と日本人へのイメージに繋がる。胃が…

〈Stranger 平壌に還る 2〉会いたい人はカウンターの向こうに/北岡裕

会いたい人はカウンターの向こうに 午前11時。窓の外からは牡丹峰楽団の音楽が聴こえていた。朝鮮労働党創建70周年記念日を翌日に控え市民たちの練習にも熱がこもっていた。 平壌ホテルの4階にあるバー。カウ…

〈Stranger 平壌に還る 1〉彼女が仮面を脱いだ夜/北岡裕

東京・平壌虹の架け橋訪朝団の一員として今年10月に訪朝した。今回の旅のテーマは‘再会’。6ドルのツケを残して帰った平壌ホテルのバーテンダー、チェ・ユンジュさんの顔が浮かぶ。加えて今回の宿泊先は普通江ホ…

Stranger(ストレンジャー)、十条に降り立つ/北岡裕

テゲテゲ(대개대개)の海に溺れて 自宅が板橋なので何度か十条の東京中高のイベントには来たことがある。けれど日本人も参加可能なイベントはどこか薄味。少しよそ行きの雰囲気で、私が大好きな朝鮮民族特有の“テ…

〈Strangers In Pyongyang 24〉旅のおわりとはじまり(2)/北岡裕

外国人の、その先へ この連載も今回が最終回。初めは12回の予定だった。少し足りないなと思っていたら18回になり、ちょうどいいなと思ったら24回になった。外国人である私が在日の方の祖国である朝鮮について…

〈Strangers In Pyongyang 23〉旅のおわりとはじまり(1)/北岡裕

旅がまたはじまる バー銀河水のママは頬杖をつきテレビニュースを見ている。若い女性接待員はふきんでグラスを磨いている。エアコンがぶるんと震え停止した。ちょうどCDも終わった。私はすっかりぬるくなったコー…

〈Strangers In Pyongyang 22〉主体思想塔の黒い影/北岡裕

壌の商売 流行りと廃り 唐突だが、みなさんは、2月の主体思想塔の展望台の寒さを知っているだろうか。吹きさらしの展望台、気温は零下10数度。吹きすさぶ強風。エレベーターを降りた次の瞬間どんなイケメンでも…

〈Strangers In Pyongyang 21〉ビール好きのカメラマン・オさん/北岡裕

ありゃあ、いい奥さんだなぁ 朝鮮滞在中はカメラマンが同行する。彼らは日本語が出来ず、マイクが音を拾わないように常に無口。表情も硬く大きなビデオカメラを担ぐ姿は正直少し怖かった。

〈Strangers In Pyongyang 20〉ポケットに家族写真を/北岡裕

東アジア共通の勘所、とは? 昨年の夏休みに台湾を旅した。大学時代の先輩と久しぶりに再会したのだが、先輩のご主人の財布が気になった。財布の内側には夫婦ふたりの写真がぺたっと貼ってあったのだ。家の中も夫婦…

〈Strangers In Pyongyang 18〉普通江ホテルの接客員たち(2)/北岡裕

朝から夜まで集団行動が基本の朝鮮ツアー。加えて昨年は相部屋だった。同行者や相部屋の方に何も不満は無かったが、一日を終えるとやっぱりひとりの時間が恋しくなる。滞在中私が入り浸っていたのが、バー「銀河水」…

〈Strangers In Pyongyang 17〉普通江ホテルの接客員たち(1)/北岡裕

天然ちゃんには気をつけろ! 私たち日本人は朝鮮の内貨を使えない。これまでは買い物のたびにいちいち円やドル、中国元と朝鮮ウォンのレートを計算していたのが、電子マネーカード「ナレ」を使えば一発解決。円でも…

〈Strangers In Pyongyang 16〉旅に出たくなる、秋の夜/北岡裕

朝鮮半島は大陸の一部なのです 昼休みあとの、その朝鮮語の授業はいつも眠気と共にあった。何人もの学生の頭が揺れていたが人の好い講師は決して怒らず、完全に机に頭を突っ伏して眠る学生は静かに飛ばして授業を続…