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短編小説「春の農村にやってきた青年」5/千世鳳

彼は、キルスがこの先、自分を大いに困らせやしないかとそんなことまで心配になってきた。 次の日から彼は、なおさらいかめしい顔つきをしてキルスにこごとを言った。最初からしっかりと手綱をひきしめておくつもり…

短編小説「春の農村にやってきた青年」4/千世鳳

「おじさん! そのハンマーの仕事も、だんだん機械化する必要がありますね」 「おい、おい、おまえの言う通りだったら、世の中のことは、なんでも寝転んでできちまう」 「おじさんは、今年の課題の中で、なにがい…

〈魅惑の朝鮮観光〉平壌ー文化・芸術施設②牡丹峰劇場

〈ここにも同胞の名店・東京〉そんちゃんキンパ

そんちゃんキンパ 店舗紹介 「そんちゃんキンパ」が営業するのは、JR阿佐ヶ谷駅北口から徒歩2分の場所にある「キムチ工房 伽倻」。水、土、日曜日にお店を借り営業している。21年3月に杉並区・今川のシェア…

短編小説「春の農村にやってきた青年」3/千世鳳

キルスは力を込めてふいごを押した。炉の中につめてある炭の間から、青い炎がヘビの舌のようにチロチロと勢いよく燃え上がった。その炎はふいごを押したり引いたりするたびごとに、燃え上がったり消えたりする。おや…

短編小説「春の農村にやってきた青年」2/千世鳳

二人は東洋拓殖会社の土地の小作をして生計を立てていたが、ドックンもヒョンボも鼻っぱしが強かったので、毎年秋になると、まっ先に小作料のことで会社と争った。そして二人はいつも会社の係員のえりがみをつかんだ…

〈聴くシンボ〉(10月11日-10月17日)

「聴くシンボ」は、朝鮮新報電子版 DIGITAL SINBOのニュースを音声でお聞きいただけます。同サービスでは、1週間の主要ニュースをピックアップし、毎週日曜日にダイジェストでお届けします。生活のさ…

短編小説「春の農村にやってきた青年」1/千世鳳

ムン・キルスは早目に朝食をすませて家を出た。組合に来て初めて作業につく日である。ひとりでに胸がふくらんでくるように思った。 ………鍛冶屋というのは、どのくらいの大きさだろう? 何人ぐらいいるのだろう?…