
短編小説「春の農村にやってきた青年」15/千世鳳
2021年11月28日 08:55
「ええ……」 彼女はまだ胸がドキドキしていたが、笑顔でこう答えた。二人は仕事場に入っていった。 「何を作るの?」 「鍛冶屋の仕事を機械化しなきゃならないんでね」 「どうやって機械化するの?」

短編小説「春の農村にやってきた青年」14/千世鳳
2021年11月24日 06:59
おやじは、また、たいへんな心配ごとがもうひとつ増えた。チベギの話を聞いてから、鍛冶屋を乗っ取られることを心配していたのだが、今度は自分の娘をとられはしないか、という心配までが加わったのである。 その夜…

短編小説「春の農村にやってきた青年」13/千世鳳
2021年11月23日 09:15
鼻の頭にぷつぷつ汗をかいたヨンエが、キルスの手からホミの柄をひったくった。 「そんな手荒にしたら、腕をくじくじゃないか」 「だって、そんなにぐずぐず削ってないで、もっと手に力を入れて早く削らなきゃ駄目…

〈聴くシンボ〉(11月15日-11月21日)
2021年11月21日 08:00
「聴くシンボ」は、朝鮮新報電子版 DIGITAL SINBOのニュースを音声でお聞きいただけます。同サービスでは、1週間の主要ニュースをピックアップし、毎週日曜日にダイジェストでお届けします。生活のさ…

短編小説「春の農村にやってきた青年」12/千世鳳
2021年11月17日 06:22
こうやって鍛冶屋では、たくさんの道具を作った。組合員はたびたびやってきて道具類を見ては、りっぱなできばえだとほめていった。組合の幹部たちもちょくちょく見にきた。 ある日の午後のことであった。ここに、長…

短編小説「春の農村にやってきた青年」11/千世鳳
2021年11月17日 06:22
「ちょっと、その図面をこっちへください。これは荷車の平面図で、これが車の心棒の受けですよ。この心棒から後ろの板をみんな切り取ってしまうんです。すると、荷車の後ろ半分がなくなってしまうでしょう? 次にそ…

〈ここにも同胞の名店・大阪〉焼肉 飛龍
2021年11月16日 09:00
店舗紹介 JR大阪環状線森ノ宮駅から徒歩5分ほどの場所に位置する焼肉「飛龍」。飛龍は地元東成で2代続く老舗で長年、地元で愛されてきた焼肉店。 6月4日に東成区中道1丁目から中道2丁目へと移転オープンし…

短編小説「春の農村にやってきた青年」10/千世鳳
2021年11月14日 09:31
「なあ兄貴、しっかりふんどしを締めてかからにゃ、うっかりすると鍛冶屋を乗っ取りにかかるかもしれんですぜ、あの野郎が……」 「な、なんだと? 鍛冶屋を乗っ取るって?」 「うん、今日見たとこじゃあ、どうも…