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短編小説「大いなる心」2/チェ・ハクス

いつものようにむぞうさに受話器を耳にあてたかれは、すぐにたばこの火をもみ消し、油と汗で光る椅子にもたせかけていたからだを、ぴんとのばして立った。顔色は興奮と緊張、それに不安がいりまじって、青白くこわば…

短編小説「大いなる心」1/チェ・ハクス

「そりゃ急がせていますとも、こちらの事情はお見とおしのはずじゃありませんか?ベッドは半分ほど削りました。大型切削機さえあったら、これほど苦労させられなくてもすんだと思いますがね。えっ?排風器の本体です…

短編小説「鉄の歴史」25/ビョン・ヒィグン

「できますとも!首相さまがいらっしゃるかぎり、やってのけられないことがありましょうか」 ウンチルは感動にふるえる声でこう答えた。 「それはちがいます、ウンチルトンム」 首相同志は、かれのことばをさえぎ…

短編小説「鉄の歴史」24/ビョン・ヒィグン

敵の爆撃でこずえの折れたアカシヤの木から新しい芽がふき、枝をおおった葉が風にゆらいでいる。木々の枝では小鳥たちが、鈴のような声をきそうようにさえずっていた。

短編小説「鉄の歴史」23/ビョン・ヒィグン

「ウンチルトンム、トンムが背おっている背のうがそれです。製鉄所の復旧作業は、トンムがはじめたように、ねじ釘を一本ずつひろい集めることからはじめなくてはなりません。

短編小説「鉄の歴史」22/ビョン・ヒィグン

首相同志は解放後も、あの多難な情勢のもとで労働者と農民の政権をうちたて、労働者には工場を、農民には土地をあたえ、子どもたちには学校をたて、日本帝国主義者が破壊した工場、企業所に新しい生命をよみがえらせ…

短編小説「鉄の歴史」21/ビョン・ヒィグン

ウンチルの胸は、金日成将軍のためにすべてささげてたたかいぬこうというもえるような忠誠心にうずまいた。 ついに、労働者たちは1号溶鉱炉をよみがえらし金日成将軍をむかえて最初の鉄を流し出した。

短編小説「鉄の歴史」20/ビョン・ヒィグン

吹雪のはげしい晩のことだった。 この日も労働者たちは、徹夜で作業を進めていた。

短編小説「鉄の歴史」19/ビョン・ヒィグン

恐怖と不安にゆがんだ顔でこの瞬間を見つめている敵もいた。腹ぐろいたくらみをすてさっていない連中もかたずをのんだ。

短編小説「鉄の歴史」18/ビョン・ヒィグン

労働者たちは、難関に直面するたびに将軍のことばを思いおこし、討論をかさねては力をあわせてそれをのり越えた。