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〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 1〉伽倻琴(カヤグム)

「幅広い民族音楽」を実現 祖国-朝鮮から民族楽器が送られてきて早40余年が過ぎた。それが私たち在日同胞の民族楽器の歴史の始まりといえよう。小さな手に楽器の温もりを感じたのが昨日のようで、時の流れの速さ…

〈同胞美術案内 9〉尹光子/40代後半で絵画を本業に

のびのびとした自然の風景 絵画には画家の心が動かされた物事とともに、それをみつめる画家のまなざしが表現される。 本作者は自然をどのように見つめているのであろうか。 ある池のほとり。画面右から暖かな秋の…

〈朝鮮の風物・その原風景 6〉トゥレ(集落相互扶助組織)

農民の暮らしと農業を支える 朝鮮には、古くから骨の折れる農作業を村民が集団で助け合っておこなう風習が存在した。李朝時代の風俗画にも農楽旗を先頭に銅鑼や鉦、太鼓など、農楽隊のにぎやかな楽にあわせて田植え…

〈同胞美術案内 8〉金漢文/自然に対する感情を作品に

変化する波動と不動の岩 芸術作品の中にこそ真の自然の姿が宿る。 金漢文(1936-1991)の作品「夜明け」。 地平線の向こうから続く海と、その海底深く根を下ろした岩々が描かれる。波は画面左右に揺らめ…

〈朝鮮の風物・その原風景 5〉キムジャン

国あげての一大年中行事 朝鮮では、立冬を迎えるとあわただしい冬支度にとりかかる。その代表格はなんといってもキムジャン(キムチ漬け)だろう。キムジャンは、かつては国あげての一大年中行事で、この時期になる…

〈同胞美術案内 7〉全哲/読者惹きつけた4コマ漫画

在日朝鮮人の歩みをたどる 漫画の命は線である。連続する一定の大きさの枠内に、その線で描かれ息を吹き込まれたキャラクターがさまざまな動きを見せる。一定の大きさの枠-「コマ」-の中にはキャラクターのみなら…

〈朝鮮の風物・その原風景 4〉チャンスン

民衆の信仰の中で生きた守護神 チャンスン。朝鮮の民俗文化遺産の一つとして、あまりにもよく知られた存在である。しかし、昨今では博物館や歴史民俗資料館以外ではなかなか見ることができない。 チャンスンとはい…

〈朝鮮の風物・その原風景 3〉チャンドクデ(甕台)

「家伝」の味漂う露天貯蔵庫 チャンドクデ。 ひと昔前まで、朝鮮のどの家でもごく普通に見られた、甕置き場である。醤油、味噌、コチュジャン(唐辛子味噌)など、伝統的民族食品を自家製で製造し、保管する場所だ…

〈同胞美術案内 6〉宋英玉/鏡の中で凍り付く魂描く

無残に引き裂かれた人物を象徴 古今東西の絵画作品には「鏡」が多く登場する。鏡の前で髪を結い上げる女性を描いた作品をはじめ、自画像の制作では鏡が用いられるだけでなく、しばしばその鏡自体がキャンバスに描か…

〈朝鮮の風物・その原風景 2〉ウォンドゥマク(園頭幕)

夏彩る農村の手軽な避暑法 朝鮮では古くから、濯足、流頭、背沐などで夏の暑さを凌いだといわれる。濯足は水に足を浸して涼を得る方法で、「東国歳時記」にもその記録がみえる。流頭、背沐は、文字通り髪や背中に水…