
安重根が国の仇を討ったと聞いて(3首)/金澤榮
2010年05月31日 10:33
平安道の壮士が一人 両目をカッと見開き走り出で まるで仔羊でも潰すかの如く 痛快に 国の仇の息の根止めた 我 死なずに生き延びて この良き知らせ聞く事となり 咲きこぼれる菊の傍 歓びに気…

〈朝鮮の風物・その原風景 24〉連載を終えて
2009年09月25日 00:00
闊達で能動的な民衆像に魅了 数年前、外孫の誕生日のプレゼントに似顔絵のTシャツを贈ったことがある。孫の似顔絵とともにプリントした「D’ou venons-nous? Que Sommes-…

〈朝鮮の風物・その原風景 23〉機織り
2009年08月28日 00:00
貧しき女人の手仕事 朝鮮の代表的名節として知られる秋夕におこなわれる民俗遊戯のひとつに、キルサム(機織り)戯というのがある。 「三国史記」に、新羅では二人の王女率いる二手のチームが、定められた期間に織…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 14〉素材や分類
2009年07月31日 00:00
朝鮮で生まれた「郷部」の楽器 昨年2月にスタートした本連載がいよいよ最終回を迎えることになった。1年半に及ぶ期間、愛読してくださった読者の方々に深く感謝する。 最終回では、民族楽器の素材や分類をまとめ…

〈朝鮮の風物・その原風景 22〉渡し場
2009年07月24日 00:00
ゆったり、支えあった頃 金弘道の「渡し舟」は、市場にむかう人々の姿を個性豊かに描いた風俗画だが、ここには狭い川舟に馬や牛、老若男女の庶民、両班がひしめき合って乗り込んだ光景がユーモラスに表現されている…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 13〉法鼓(ポプコ)、雲板(ウンパン)、木魚(モゴ)、梵鐘(ポムジョン)
2009年06月26日 00:00
地、空、水の生き物を救う 仏教儀式に使われた楽器 今回は仏教音楽においてのウリナラの楽器に触れてみよう。 まずは朝鮮の音楽の根元とも言えるポムペ(梵唄)の話からはじめよう。「唄」という字は「唱」と同じ…

〈朝鮮の風物・その原風景 21〉アメ売り
2009年06月26日 00:00
庶民には高嶺の花 ひと昔まえ、大道の物売りのなかで目を引くものの一つにアメ売りがある。 アメを入れた浅底の木箱を紐でたすきがけにし、アメばさみのリズミカルな音にあわせて「アメ打令」をひとくさりうなって…

〈朝鮮の風物・その原風景 20〉サンナムル(山菜)採り
2009年05月26日 00:00
自然の恵みと「旬の味」 昨今、山菜採りはちょっとしたブームの観がある。ハイキングとセットにした各地の山菜採りツアーなどがなかなかの人気のようだ。 古来朝鮮民族は山菜(サンナムル)をこよなく好んで食した…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 12〉建敲(コンゴ)、踞虎(ロゴ)、晉鼓(チンゴ)、雷鼗(ルェド)
2009年05月09日 00:00
音楽の始まりと終わり伝える さまざまな装飾、足元には虎 80余種類とも言われる民族楽器の中で、打楽器は30余種類と大きな比重を占めている。打楽器は、古くから人々が手にし、心を表現してきた楽器である。世…

〈朝鮮の風物・その原風景 19〉洗濯場
2009年04月24日 00:00
噂や世間話の花が咲く ひと昔前まで、村はずれの川辺には必ずといってよいほど洗濯場があった。水はけも劣悪だった時代には、川こそ最も洗濯に適した場所といえた。 こんにち洗濯は、洗濯機にとって代わって久しく…