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〈朝鮮歴史人物〉黄山の原で最後を終えた階伯(4)

義慈王の横暴な仕打ちで父が無念に世を去った後、彼もやはり、国の安全のために働こうとしている矢先に、王の兵卒たちの手によって傷を負い、田舎に下っていた。 だが、黄山の原に侵略者が攻めてきたというので、と…

〈朝鮮歴史人物〉黄山の原で最後を終えた階伯(3)

階伯は死を覚悟していたのであった。 彼は、大剣をさっと振り上げ、誰も留め立てする間もなく、その場で夫人と子どもの命を絶ってしまった。可愛いわが子であり、愛する夫人である。だが、階伯は雑念を一気に振り払…

〈朝鮮歴史人物〉黄山の原で最後を終えた階伯(2)

660年、遂に事件は起きてしまった。唐と手を結んだ新羅軍が百済侵攻を開始した。 慌てふためいた義慈王は、大臣たちを呼んでどうすればよいのか話してみよと迫った。 何人かの大臣が自分の考えを義慈王に言上し…

朝鮮語学科創設50周年記念誌を発刊/大阪大学

朝鮮語、朝鮮半島への思い込め 大阪外国語大学(現在の大阪大学外国語学部)に、日本の国立大学として戦後初めて朝鮮語学科(現在の大阪大学外国語学部朝鮮語専攻)が創設されて、今年で50周年を迎えた。 朝鮮語…

〈朝鮮歴史人物〉黄山の原で最後を終えた階伯(1)

冷え冷えとした秋風が吹くなか、高官顕職の数人が後宮の東屋に集まり座っていた。 彼らは一様に謹厳な面持ちで、深い愁いに打ちひしがれている様子であった。 酒色で月日の経つことすら見分けがつかない義慈王のこ…

〈朝鮮歴史人物〉忠臣・成忠(4)

義慈王は、再び遊びに溺れてしまった。そうして660年7月、新羅と唐の連合軍が百済に攻め込んできた。 成忠の予言に間違いはなかった。 敵が侵入してくるルートも、すべてその通りであった。新羅・唐軍が侵入し…

必見! 渾身のドキュメンタリー「笹の墓標」/奪われた強制労働者、命の痕跡

歴史と向き合った若者たちの15年 日本と南朝鮮と在日、の若者たちの15年の歩みを描いたドキュメンタリー映画「笹の墓標」が、渋谷の「光塾」で限定上映される。 全5章と終章を合わせて9時間9分の超大作であ…

〈朝鮮歴史人物〉忠臣・成忠(3)

(ああ、この国はこれから先どうなるのか! 迫りくる危機をどう回避するというのか) 牢獄につながれた老人の思いは、ただこのことだけであった。 義慈王は、次のように成忠の罪状を挙げた。

〈朝鮮歴史人物〉忠臣・成忠(2)

「王様に申し上げます」 にわかに目玉が硬直した義慈王は、不満そうに見下ろした。 「何事だ? 楽しい春の日に…」 義慈王は、成忠がまた諌言を呈するべくこうして進み出たことを、余りにもよく知っていた。しか…

〈朝鮮歴史人物〉忠臣・成忠(1)

3月も終わろうとしていたある日、大王浦の丘では迎春の会の真っ最中であった。大きな日除けを張り、宮女たちがこぞって集まり、名も知れぬ様々な料理にかぐわしい酒が甕ごとになみなみと満ち溢れていた。数百の召使…