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〈朝鮮歴史民俗の旅〉両班(1)

朝鮮王朝の時代は両班主導の時代であった。国の法律も制度も両班の利益を保障するものであった。もちろん最高主権者は国王であり、国王の批准、命令なくして国事は決められるものではない。しかし、朝鮮の国王は絶対…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉契(2)

契は目的に応じて成員の数、成員の属性、事業規模、運営方法などに違いがあるが、加入者の平等互恵の契約精神はいずれの契にも徹底している。親はいてもその人は集団のリーダとは違う。原則として全会員はまったく平…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉契(1)

農民はいつの時代も、米を作って国を支えながらも、生活苦を強いられていた。農民を苦しめたのは税金であり地代であった。税金は官吏がまきあげ、地代は地主が搾り取っていた。保護すべき政府は無能無策であったので…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉盗賊(2)

林巨正は聡明で腕っぷしも強く、人心掌握においては天才的な才能を持っていた。しかも、智略にたけ人情も厚く、白丁の世界にあっては親分と慕われていた。頼りがいのある人物だったので、数十人の白丁たちが義兄弟の…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉盗賊(1)

盗みをはたらく者を盗賊という。盗賊は世界どの国にも、いつの社会にもいるものだ。窃盗も強盗も、山賊も海賊もみな盗賊の部類に属する。 朝鮮に三大盗賊がいた。洪吉童、林巨正、張吉山の3人である。洪吉童は燕山…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉風水(2)

王朝の盛衰はとりわけ都や王宮の位置によるところが大きい。高麗でも朝鮮王朝の時代にもたびたび遷都論が持ち上がり、激しい政争が繰り返されていた。風水説は遷都論議に根拠を与え政争の具として利用されもした。 …

〈朝鮮歴史民俗の旅〉風水(1)

風水とは、大地に潜んでいる力が人々の営みの成否と禍福に大きな影響を及ぼすものと考え、その力を利用して生活に福をもたらそうとする信仰である。主に都城、寺刹、住居、墳墓などの築造にあたって、その地相を判断…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉弓述(2)

壬辰倭乱で活躍した李舜臣将軍も善射であった。彼が豊臣秀吉の大軍を南海で大破、撃沈するのには、もちろん亀甲船の威力を抜きにしては考えられないが、敵船を焼き払ったのは船から発せられた火箭(鏃に火の玉をつけ…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉弓述(1)

古い時代、中国人は朝鮮を東夷と呼んだ。夷とは弓と大の合成語で、そのいわれはこの民族に大きな弓があったことに由来する。弓を好んで使いその能力に長けていたことを表したのである。 高句麗の歴史は弓の歴史から…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉暗行御使(2)

議政府から受け取る1冊の本に、暗行御使の職務と権限が記されている。馬牌は暗行御使であることの証票。10センチほどの銅製の円形の符印である。表に馬の絵柄が刻まれ、裏には発行元が政府の尚書院であることと発…