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〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉連載を終えて

この連載の依頼を受けたとき、私は正直言ってとまどった。折りしもいろいろな悪条件が重なって、そんな余裕なんてなかった。それに、私はあれこれ1度にやってのけるのが大の苦手である。 そんな私の気持ちを知って…

〈朝鮮名峰への旅 1〉春霞の中から柔らかな光、白頭山が染まっていく

初めて白頭山を訪れたのは、91年5月下旬のことであった。 飛行機が三池淵の飛行場に近づくと、機内からざわめきが起こった。前方に真白な白頭山が、他の山々を従えるように、まばゆいばかりに輝いていた。山岳カ…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉烈士・柳寛順(下)

3月3日の高宗の国葬に向けて、全国から人々がソウルに集まってきた。今まで地下組織で活躍してきた孫秉煕、崔南善ら33人の天道教、キリスト教、仏教の指導者と学生指導者を代表とする朝鮮独立運動家たちが、自主…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉白衣(2)

白衣民族という言葉が、朝鮮民族の別称として定着したのはそれほど古い時代のことではない。日本植民地統治時代、多くの朝鮮人は以前にも増して白衣を身につけた。民族主義者や愛国の志士たちはもちろん、一部の親日…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉烈士・柳寛順(上)

手元に2枚の写真がある。 1枚は梨花学堂に入学した当時、学友と共に写っている。14歳の頃で、友だちの肩に手をやって、首を少し傾けほほえんでいる。 もう1枚の写真は、1919年8月1日、ソウルの西大門刑…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉白衣(1)

朝鮮人は自らを「白衣民族」と呼ぶ。白色の衣服を好んで身に着ける民族であるということだ。赤色が挑発的であるのに対して、白色は潔白、純粋、平和を表すという。しかし、それは色彩に対する現代的解釈であって、朝…

〈人物で見る日本の朝鮮観〉樽井藤吉

大和(やまと)の人、樽井藤吉(たるいとうきち)(1850~1922)は日本近代史上、特異な存在である。その特異たるゆえんは、日本で最初に社会主義を名乗る「東洋社会党」を明治15(1881)年5月という…

〈朝鮮歴史民俗の旅〉花(3)

国ごとに親しみのある花がある。英国人はバラ、中国人は牡丹である。日本人はといえばもちろん桜だろう。 親しみを感じるにはそれなりの理由がある。英国人がバラなのは、英国王室のシンボルであったことにもよるが…