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〈朝鮮と日本の詩人 73〉石牟礼道子

朝鮮人の恨(ハン)を凝縮 第四度火傷炭化質という火傷には蛆もつかぬ 末期の水というものをのむひまなく 生きていたマリアたちは じゅっという音を立てて 六千度の熱 拝むひまもありゃせん 熟み月ともしれん…

〈朝鮮の風物・その原風景 15〉チゲックン

外国ではエキゾジズムと絶賛 1世紀前に朝鮮をおとずれた外国人の目に、ものめずらしく映ったもののひとつに繁華街や市場で客待ちするチゲックンがある。 チゲックンとは、荷物の運び屋、今でいうポーターである。…

〈遺骨は叫ぶ 20〉北海道・計根別飛行場

「滑走路の下に、朝鮮人の死体埋めた」 根室海峡を隔てて国後島が見える、北海道の北の果てとも言える野付郡別海町の牧場の中に、コンクリートで造られた掩体壕(飛行機を隠す所)がある。その上に上がると、緑の牧…

〈朝鮮と日本の詩人 72〉小林園夫

故郷を追われた朝鮮人よ 打ちこむシャベル 掘りおこされる土 土をのみこむトロッコ 歯を喰いしばって土を掘る 流れる汗 焦りつける太陽 渇く咽喉 軋む鞭 光る眼 遠くで兵士の演習の銃 故郷を追われた朝鮮…

〈民族楽器のルーツをたどる・ウリナラの楽器 7〉チョッテ

「萬波息笛」と呼ばれた国宝、柔らかく優雅な音色 我が国で改良されたチョッテ(煽企、腺企)には、高音チョッテ、中音チョッテ、そして低音のチョッテの三種類がある。 大きさは異なるが構造は同じだ。 チョッテ…

〈朝鮮史から民族を考える 28〉歴史教科書問題(下)

統一時代、共通の歴史認識を 東アジア共通の歴史教材 現在、日・「韓」、あるいは日・「韓」・中のいくつかの民間グループでは、日本の歴史教科書記述の誤りを正していくとともに、自国史中心的な歴史観を脱し東ア…

〈人物で見る朝鮮科学史 70〉実学の時代(1)

西洋知識の導入図った金堉など 朝鮮王朝時代の科学技術を鳥瞰した時、二つの大きな山がある。一つは前期の世宗時代の科学技術であり、もう一つは後期の「実学」である。 壬辰・丁酉倭乱とその後の清国の侵攻などに…

〈朝鮮史から民族を考える 27〉歴史教科書問題(上)

略奪戦争と冷戦政策の連続性 国家にとっての歴史教育の役割 なぜ、歴史教科書の記述内容が国家間での激しい政治的対立の焦点になるのか? その根本的な理由はといえばほかでもない、私たちがそのなかで生きている…