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〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉記者、作家・宋桂月

宋桂月は、女性雑誌記者として新進作家として将来を嘱望されながら惜しくも23歳の若さで息を引き取った女性である。 朝鮮が日本の植民地となった翌年の1911年、宋桂月は咸鏡南道北青郡のある漁村で生まれた。…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉声楽家・尹心悳(下)

東京上野音楽学校卒業後、1年間尹心悳は同校で助手に籍をおいて、声楽をひきつづき学んだ。そして1923年5月初め、彼女は錦衣還郷した。 最高のソプラノ歌手 ソウル上京(母校、京城女子高普で講師)が機とな…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉声楽家・尹心悳(上)

1926年8月4日未明、下関発の関釜連絡船上から声楽家の尹心悳が劇作家の金祐鎮と玄界灘へ身を投じて心中した。有望な朝鮮の若き芸術家が荒波の花となって散っていったこの情死を、当時新聞は連日センセーショナ…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉作家・金明淳

妾の子 金明淳は、1920年代羅惠錫、金一葉とともに自由主義女性解放論を主張した第1世代の作家である。 1897年平壌の隆徳面で妾(妓生)の子として生まれた彼女は、南山峴学校、イエス教学校を経て、ソウ…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉女性雑誌編集者・金一葉

金一葉は、1920年代に小説、論説などを通じて女性解放を主張した第1世代女性作家であり、強靭な精神力と行動力でついには尼僧の世界に入り、社会に大きな波紋を投げかけた新女性である。 1896年、平壌郊外…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉作家・白信愛

白信愛は慶北永川の巨商の娘に生まれたが、封建的な父は彼女の並々ならぬ向学心に理解を示さなかった。 5歳で漢文を習いはじめ、幼少の頃から兄の書棚にあった古今の小説を読みあさり、「早熟な子」と言われた。普…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉詩人・盧天命

首の長き 悲しき鹿よ いつも物静かで 言葉さえない 香しい冠いただく 君は いとも高き族屬の 身なるらし   水面の影に 見入り 失いし伝説を 偲んでは 忘れがたき郷愁に 思いつのり 悲しき…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉動画作家・羅惠錫(下)

羅惠錫は絵画だけではなく、詩、小説、戯曲、随筆、評論、紀行文などバラエティに富んだジャンルに挑戦した作家でもあるが、ここでも「人間として生きたい」というアイデンティティははっきり表れている。 18歳の…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉動画作家・羅惠錫(上)

波乱に富む人生 羅惠錫は、著しく個性的な自分の世界を構築した「新女性」であった。 それは第一に、高羲東、金觀鎬、金瓉永に続いて日本で油絵を勉強し、ソウルで初めて個展(1921)を開催、「朝鮮美術展覧会…

〈朝鮮近代史の中の苦闘する女性たち〉作家・姜敬愛(下)

矛盾のるつぼ 姜敬愛にとって間島はどんな所であったのだろうか? 当時日本で活躍していた作家、張赫宙にあてた彼女の手紙の一節を引用してみよう。 「先生、万難を排して一度満州においでください。ここには山と…