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〈人物で見る朝鮮科学史 33〉高麗の科学文化(6)

綿の栽培で功績挙げた文益漸 14世紀まで朝鮮の衣服の主流は麻であったが、保温性の優れた綿によって衣服革命をもたらした人、それが文益漸である。1329年に貧しい両班の家に生まれた文益漸は、農業に従事して…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 2〉太祖・王建/朝鮮の戦国、後三国時代を制す

高句麗を継承、渤海遺民を受容 918年6月15日、太祖王建は鉄原(江原道・38度線の南)弓裔の故宮・布政殿で王位に付き高句麗を継承する意味で国号を「高麗」とし、年号を「天授」と定めた。 新羅は29代武…

〈人物で見る朝鮮科学史 32〉高麗の科学文化(5)

世界でもっとも美しい高麗青磁 東京・南青山は都心の一等地として知られているが、その一角に有名な根津美術館がある。根津美術館は東洋古美術品を幅広く所蔵しているが、なかでも「青磁蓮唐草文浄瓶」は高麗青磁の…

〈遥かなる高麗への旅・朝鮮史上初の統一国家 1〉古都・開城/千年の歴史刻む

輝かしい文化 分断後初、統一列車の試運転 今、朝鮮半島のほぼ中央38度線の南に位置する開城が世界の耳目を集めている。5月17日、北と南をそれぞれ出発した京義線と東海線の列車が、朝鮮半島を横切る軍事境界…

〈朝鮮通信使来聘400年 6〉江戸の学問と政治理念

文武忠孝を励し、礼儀を正す 「日本の武士は、戦国時代では『切り取り強盗は武士の習い』という言葉のとおり、文化や道徳とは縁遠い野蛮人であった」(「漢文の素養」加藤徹) 天下を平定した徳川家康は、武力に代…

〈人物で見る朝鮮科学史 31〉高麗の科学文化(4)

版画の手法を生かした良質の高麗紙 朝鮮が世界に誇る高麗の金属活字印刷であるが、そのためには解決しければならないくつかの問題があった。まずは、金属活字それ自体を鋳造する金属加工技術である。古代から新羅に…

〈遺骨は叫ぶ 4〉長崎・端島・海の下の炭鉱、酸欠、落盤、逃亡しても水死

「軍隊なんか問題にならん過酷なリンチ」 長崎港の沖合に浮かぶ島々の中でも、端島(長崎市高島町)は、周囲わずか1.2キロメートルと小さい。島全体を高さ10メートルほどのコンクリートの防波堤が囲み、所狭し…

〈人物で見る朝鮮科学史 30〉高麗の科学文化(3)

人類文化史上の貴重品となる活字 高麗の科学技術を語るうえで欠かせないのは金属活字の発明であるが、これは高麗に留まらず朝鮮科学史のもっとも重要な業績の一つである。活字それ自体は中国で発明され、木活字、陶…

〈人物で見る朝鮮科学史 29〉高麗の科学文化(2)

木版印刷技術の頂点、「八万大蔵経」 印刷術は中国の四大発明の一つに数えられるが、現存する世界最古の印刷物は新羅時代の仏国寺釈迦塔から発見された経文「無垢浄光大侘羅尼経」であり、印刷術自体も新羅が最初か…

〈遺骨は叫ぶ 3〉三菱美唄鉱業所・ガス爆発、集中豪雨で夥しい犠牲者

JR函館本線の美唄駅から車で約30分で「炭鉱メモリアル森林公園」(北海道美唄市東美唄町)に着く。1972年に閉山になるまで、ここは三菱美唄鉱業所の心臓部だった。朱色の鮮やかな立て坑巻き揚げ櫓、原炭ポケ…