第18回日朝教育シンポおよび第43次日朝教育交流のつどい、東京中高で開催
2017年02月17日 11:38 民族教育“民族教育守る取り組みさらに強化”
「第18回日朝教育シンポジウムおよび第43次日朝教育交流のつどい」が11日、東京朝鮮中高級学校で行われた。日本教職員組合(日教組)、在日本朝鮮人教職員同盟(教職同)、日本朝鮮学術教育交流協会、第18回日朝教育シンポ現地実行委員会が共同で主催したこの日の集まりには、朝鮮学校関係者と日本全国の教育関係者など約300人が参加した。
最初に授業参観が行われた。この日、東京中高の教員とともに、15人もの日本学校教員たちが生徒たちを対象とした授業を行った。日本学校の教員たちは中級部で英語、社会、歴史の授業を、高級部で英語、日本語、世界史、地学、化学基礎、物理基礎の授業をそれぞれ行った。
その後、日朝教育交流の70年をテーマとしたシンポが行われた。シンポには日教組の元副委員長である西沢清氏と日朝学術教育交流協会事務局の大石忠雄氏、教職同顧問の蔡鴻悦氏が登壇した。
まず40年以上もの間民族教育に従事してきた蔡氏が、受難の時代を乗り越え今日まで続いてきた朝鮮学校の歴史について語った。蔡氏は、「植民地時代に暗い少年期を送った私は解放後、祖国建設に貢献したいとの思いで神奈川の朝鮮学校で教鞭をとり始めた。当時在日同胞の大半は『ニコヨン』と呼ばれる最底辺の労働者だったため、自分たちの力で学校を運営するのは並大抵のことではなかった」と感慨深げに話した。
西沢氏と大石氏は、「日韓基本条約」が締結(65年)される一方で日朝関係が悪化した60年代、「外国人学校法案」の国会上程企図や帰国協定の一方的破棄など日本政府による在日朝鮮人への迫害が強行される中、日朝の教育関係者が共に立ち上がり、在日朝鮮人の民族教育権擁護運動を力強く展開したこと、その後も朝鮮学校の各種学校認可取得、JRの通学定期券割引率の格差是正、インターハイなど「全国大会」への出場権や日本の国立大学受験資格の獲得など、朝鮮学校の処遇改善のために共闘してきた歴史をふり返った。また、朝鮮を正しく知ることを目的とした日本の教職員らの訪朝活動も70年代後半から盛んに行われてきたと指摘した。