闘い続ける決意新たに/無償化求める文科省前「金曜行動」
2017年01月30日 12:23 民族教育「大阪補助金裁判」の判決には怒り
朝鮮学校への高校無償化制度の適用を求める今年初めての「金曜行動」が27日、文科省前で行われた。寒空の下、朝鮮大学校の学生や同胞、日本人など、約200人が集まり、差別是正を訴えた。
「怒りを原動力に」
この日の「金曜行動」には、「大阪補助金裁判」の判決が言い渡された直後だったということもあり、従来より多くの人々が駆けつけた。26日、学校法人「大阪朝鮮学園」が大阪府と大阪市による補助金の不交付決定の取り消しなどを求めた裁判で、大阪地裁は大阪朝鮮学園の請求を棄却する判決を言い渡した。朝鮮学校に対する自治体の補助金不交付をめぐる司法判断は初めて。「(補助金不交付に)違法性はない」として朝鮮学校側の訴えを退ける不当な判決が出たことで、裁判を見守った関係者や支援者の中からは憤りと嘆きの声が噴出した。「金曜行動」参加者たちの表情もいつになく硬かった。
午後4時。「金曜行動」を主催する朝鮮大学校の学生たちがマイクをとり、思いの丈をぶつけた。
李星来さん(政治経済学部2年)は「立憲主義、法の支配? ふざけるんじゃない」と声を荒げながら、前日の「大阪補助金裁判」の判決について「前代未聞の不当判決」だと強調し、「裁判所は憲法価値をドブに捨てた」と非難した。「大阪地裁は今回の判決で朝鮮学校に補助金を交付することが『贈与契約』にあたるとしたが、ここでの補助金交付は学習権、民族教育権に関わる問題であり、れっきとした権利である。その権利が剥奪されたというのに、裁判所が補助金不交付処分の違法性を認めないというのはあまりにも不当だ」。
李さんは「今回の不当判決への怒りは、今後も続いていく民族教育を守る闘いの原動力となるだろう。われわれはこれからも、その最前線で闘い続ける」と決意を述べた。
朝鮮学校に対する差別政策の是正を求める大阪府庁前での「火曜日行動」にも参加したことがあるという李琇蓮さん(外国語学部1年)は、「大阪補助金裁判」の判決を聞いて「『火曜日行動』に何度も参加してきた理解ある同胞や日本の有志、朝鮮学校の恩師や後輩たちの心境を思うと悔しかった」と述べ、「一人、また一人と集まれば必ず大きな力となる。今日の『金曜行動』を勝利への一歩にしたい」と話した。
「高校無償化とは教育にかかる経済的負担の軽減をはかり、教育の機会を平等に与えるものだったはず。なぜ朝鮮高校に通う生徒たちはその対象に入らないのか」