公式アカウント

勝利への信念は揺らがない/大阪補助金裁判、関係者の思い

2017年01月06日 16:38 民族教育

命をかけて闘い抜く/「朝鮮高級学校無償化連絡会・大阪」共同代表、丹羽雅雄弁護団長

丹羽雅雄弁護団長

国際人権法の観点から見ると、外国人学校における民族教育は最も尊重されるべき権利だ。「人権大国」を謳う日本において、司法をつかさどる裁判所は多数者支配の社会を監視する役割を全うしなければならない。

植民地主義的な安倍政権に連動して地方自治体も制度的な差別政策を実施しているが、私はもう2度と加害の立場に立ちたくない。

植民地支配と在日朝鮮人の処遇に対する清算責任が果たされていない中、今回の裁判は日本だけではなく朝鮮半島を含む東アジア全体が平和や信頼関係を築き、将来への明るい道筋を描くうえでの試金石になる。この問題を解決することが生涯の夢だ。だからこそ私は命をかけて最後まで裁判を闘い抜くつもりだ。

朝鮮学校の関係者たちの踏ん張りによって運動は絶えず前進し、広がりを見せてきた。今後、在日朝鮮人が虐げられている他のマイノリティーと連帯し、国境を越えた運動を展開すれば新しい転換点を生み出せるはずだ。民衆の力は大きな可能性を秘めている。

握った手を離さなければ/「朝鮮高級学校無償化連絡会・大阪」長崎由美子事務局長

DSC_0776_R代表を務める「チョソンハッキョを楽しく支える生野の会」(2002年結成)の活動を続ける過程で、女性同盟や保護者のオモニたちと本音を言い合える関係を築けた。友人の子どもが差別を受けていたら、身を投げうって守ろうとするのは当たり前。差別是正のために街頭に立ち、つらい思いをさせてしまっている子どもに大人があきらめる姿を見せてはならない。

4年間のたたかいの中で本当に多くの方々が朝鮮学校に対する支持と理解を示してくれるようになった。ヘイトスピーチのカウンター、脱原発、反「維新」団体など、日本社会に生じている様々なひずみを感じ、差別や弾圧の根源が朝鮮学校問題と繋がっていると気づいた人々が立ち上がってくれている。物心両面で学校運営や裁判闘争に力をくれた南朝鮮の支援団体の存在も大きかった。

信頼と尊重の関係をもとに、各地の仲間たちと共に問題意識を喚起していくことが重要だ。世論で裁判は動くはず。握り合った手を離さなければ必ず勝利する。

尊厳を勝ち取る信念を/東大阪中級オモニ会、元明姫会長

なんの罪もない子どもたちが差別の対象となってきたことについて保護者たちは憤りを感じつつ、信念を胸に刻み可能な限りのことを行ってきた。裁判が長期化する中で私たちを奮い立たせてくれたのは、毅然とした態度で民族教育の正当性を主張する良心的な日本の方々だった。熱い言葉に感動を覚えると同時に、自身を省みる機会にもなった。

なぜ1、2世の同胞たちが朝鮮学校を守り、親が私たちを朝鮮学校に送ってくれたのか。民族教育の在り方が否定されるのは、ハラボジやハルモ二、そして親の存在が否定されているのと同じだ。補助金は、我々の尊厳として勝ち取らないといけない。裁判闘争の過程は民族教育の重要性を改めて胸に刻む日々だった。

子どもたちが「朝鮮人として生まれてきてよかった」という誇りを抱き、孫の世代も朝鮮学校で民族の心を育み続けるためには、今が正念場。いくら風当たりが強くても心は揺らいでいない。

(李永徳)

関連記事

権利獲得運動の一里塚/大阪補助金裁判、1月26日に判決下る

Facebook にシェア
LINEで送る