〈月間平壌レポート 10月〉強まる制裁、「実感ない」
2016年10月25日 14:13 共和国団地住民たちの平穏な暮らし
【平壌発=金志永】朝鮮に対する国連安保理制裁、敵対国の独自制裁が続き、核攻撃兵器を動員した米南合同軍事演習が展開されているが、国内には穏やかな時が流れている。平壌の住宅街に行けば、住民たちの活気あふれる生活を垣間見ることができる。
生活にゆとり
首都の中心部に位置する牡丹峰のほとりには、1980年代に建てられた巨大住宅団地がある。
「党創建記念日(10月10日)に際した物品供給があり、その段取りをつけるので、てんてこ舞いだった」
リ・ヨンスクさん(54)は、牡丹峰区域凱旋洞の37人民班の班長だ。人民班は、朝鮮における末端の住民組織。居住区ごとに数十世帯で構成される。
リさんによると「住民たちは平穏で安定した生活を送っている」という。食料配給は正常に行われている。祝日や記念日、様々な機会に特別な物品供給も実施されている。国が指定した食料品や日用品を住民たちが「タダ同然」の価格で購入する制度だ。党創建記念日は国内で「銘酒」と呼ばれている平壌酒が供給された。今年は、野菜や果物、鮮魚の供給が頻繁にあるという。