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統一支持日本委が談話/熊本地震におけるヘイトスピーチに抗議

2016年04月20日 13:10 権利

朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会は19日、熊本地震に乗じた在日朝鮮人に対するヘイトスピーチに抗議する談話を発表した。内容は以下のとおり。

4月16日付東京新聞によると、強い地震が起きた熊本で、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだぞ」などのデマ宣伝が、インターネットのツイッターにあふれているという。まるで朝鮮人虐殺をもたらした関東大震災時の流言蜚語である。これは在日朝鮮人を差別する悪質なヘイトスピーチであり、断じて許すことはできない。できるだけ早くこうしたヘイトスピーチを根絶しなければならない。

折しも4月19日、自民・公明両党が提出した「ヘイトスピーチ解消法案」が、参院法務委員会で審議入りした。しかし、この解消法案は「解消のために啓蒙活動を行う」としているだけで、「禁止措置」も「罰則規定」もない。実効性が著しく乏しいと言わざるを得ない。

また、「人権」や「民族」といった用語もなく、誰に対するヘイトスピーチを対象としているのかあいまいである。さらにヘイトスピーチ活動の温床ともなっているインターネットの規制についてまったく触れていない。野党の民進党や社民党は、与党案に対抗する法案をすでに提出している。与党が法案を提出した狙いは、野党案の否定にしかない。

なぜ、安倍政権はこうした手法をとっているのか。安倍政権自体が在日朝鮮人に対するヘイトスピーチを許容するような言動をとっているからである。3月29日、文部科学省は、全国各地の朝鮮学校を認可している28都道府県に対し、補助金の交付の際には「趣旨・目的にそった透明性のある執行を確保すべきだ」などとする通知を出して、補助金交付を実質的に再考・停止するよう求めている。各自治体が持つ権限に対し、安倍政権が強権的に介入した越権行為である。

朝鮮学校だけ高校無償化措置から除外している事実とともに、安倍政権が朝鮮学校を差別・排外していることが、在日朝鮮人、とりわけ朝鮮学校に通う児童、生徒、学生をターゲットとしたヘイトスピーチを実質的にあおっているのである。関東大震災時に、警察当局と民間の自警団とが一体となって、各地で多くの朝鮮人を虐殺して回ったことを想起せざるをえない。

私たちは、安倍政権の横暴を阻止し、ヘイトスピーチ根絶のための実効性ある法案の制定を求め、在日朝鮮人との友好連帯の輪を広げることを通じて、在日朝鮮人の人権を擁護していく。

(朝鮮新報)

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