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“朝鮮学校生徒らに対する重大な人権侵害”/大阪弁護士会が声明

2016年03月16日 09:10 共和国 権利 民族教育

大阪弁護士会(松葉知幸会長)は14日、自民党が各地方自治体に対し朝鮮学校への補助金を停めるよう指導していることについて抗議する声明を発表した。声明(要旨)は以下のとおり。

外交問題を理由として各種学校のうちのもっぱら朝鮮学校のみを対象として補助金を停止するように指導することは、朝鮮学校の生徒らに対する重大な人権侵害であり、生徒らへの不当な差別を助長するものである。

すなわち、朝鮮学校に通う子どもたちが他の学校に通う子どもたちと異なる不利益な取扱いを受けることは、初・中・高等教育や民族教育を受ける権利にかかわる法の下の平等(憲法第14条)に反するおそれが高く、一人ひとりの子どもが、一個の人間として、また、一市民として成長、発達し、自己の人格を完成、実現するために必要な学習をする固有の権利である学習権(憲法第26条第1項、第13条)を侵害する結果となる。

また、外交問題を理由として朝鮮学校への補助金を停止するように指導することは、教育基本法第4条第1項の「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」との規定に反するのみならず、我が国が批准する国際人権(自由権・社会権)規約、人種差別撤廃条約及び子どもの権利条約が禁止する差別に当たる。

既に一部の地方公共団体において行われている朝鮮学校に対する補助金の凍結もしくは継続的な縮減については、2014年8月29日に公表された国連人種差別撤廃委員会による総括所見においても、懸念が述べられている。

そして、自由民主党の声明の発出に伴う朝鮮学校への差別的取扱いの機運は、各地方公共団体へも重大な影響を与えており、3月4日には、名古屋市が、朝鮮学校の補助金について、新年度から一部か全額の支給を取りやめることを決定したと報じられている。

当会は、特定の学校に通う子どもたちに対する差別的な人権侵害が行われることを防ぎ、全ての子どもたちが教育を受ける権利を平等に享受することができるよう、政府に対して、外交問題を理由として朝鮮学校に対する補助金の全面停止を地方公共団体に指導・助言しないことを求め、また、地方公共団体に対しては、各種学校に対する補助金の支出について上記憲法上の権利、教育基本法の趣旨及び各種条約の趣旨に合致した運用を行うよう求めるものである。

(朝鮮新報)

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