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〈“歴史歪曲”の現場から〉長崎県長崎市・端島炭抗(軍艦島)/ありありと浮かぶ「監獄」の実情

2015年12月09日 09:00 文化・歴史 歴史

隠された「近代化」の犠牲者たち

軍艦島全景

軍艦島全景

2015年7月5日、日本が申請した軍艦島(端島)など「明治日本の産業革命遺産」23カ所に対する審議が、ユネスコの第39回世界遺産委員会において決議され、遺産登録が行われた。世界遺産登録をめぐる対立は数年前から存在したが、5月5日にユネスコの諮問機関であるイコモスが、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」23カ所を世界文化遺産に登録するよう勧告したことで、問題が再燃化した。韓国側は世界遺産登録を「強制労働から目をそらし、産業革命施設を美化するものだ(尹炳世外相)」と主張するも、日本側は「近代産業遺産群は1910年以前の話。そこに強制的に朝鮮の方の労働が行われたとかいうことではない。時代が全然違う(下村博文科相)」「1940年代に行われた朝鮮半島出身者の徴用は強制労働に当たらない(菅義偉官房長官)」などと主張し、産業革命遺産の一部施設での強制徴用を否定した。しかし、世界遺産登録時の日本政府の陳述では「1940年代に大勢の朝鮮半島の人々が“自分の意思に反して”(against their will)動員され、“強制的に労働”(forced to work)させられたことがあった。第2次世界大戦当時、日本政府も徴用政策を施行したという事実を理解できるようにする措置を取る準備ができている」と明らかにされた。これに対し、「日本が労働の強制性を認めた」と韓国側が受け止める一方で、同日夜、岸田文雄外相は日本の発表文の「forced to work」は「強制労働を認めるものではない」と主張。6日には菅義偉官房長官が会見で、5日の日本の発表は強制労働を意味するものでは全くなく、徴用者を含む請求権問題は解決済みとの立場に固執した。また、今回世界遺産に登録された施設に歴史的事実を記した表示板を設置する大枠の合意が日韓の間でなされたにもかかわらず、施設を保有する企業に対しての政府からの設置指示はいまだ出されていない。

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