教科書国定化をめぐる激しい議論/南で市民団体や学界が抗議声明
2015年09月14日 15:25 朝鮮半島「親日・独裁の歴史を美化」
南朝鮮で歴史教科書の国定化をめぐる激しい議論が起こっている。現在は検定教科書だが国定教科書に移行した場合、日帝の植民地統治と親日・独裁の歴史が美化され、政権の反北対決姿勢がそのまま反映されてしまうことが懸念されている。
市民団体ならびに専門家たちは、今月に入って連日「国定化反対」の声をあげている。2日にはソウル大学の歴史学者34人と全国の小中高の歴史教師2255人が、4日には独立運動家の子孫たちと独立運動関連団体が、7日には保護者1万3042人が、8日にはソウルや京畿道など10市・道の教育監が、9日には歴史研究者たちが国定化に反対する声明を発表した。
9日午前、ソウルで記者会見を開いた歴史研究者たちは、「国定教科書は教科書の執筆と編纂はもちろん、修正や改編まで教育部長官の意のままになる独占的教科書」だとし、「国定への回帰は40年以上にわたる民主化運動の成果、大韓民国が成し遂げた社会文化的な達成、そして市民、研究者の熱望と努力を否定する処置」だと明らかにした。
この日歴史研究者たちを代表して、韓国歴史研究会のチョン・ヨンウク会長(ソウル大学国史学科教授)が「韓国史教科書国定化に反対する歴史・歴史教育研究宣言」を発表した。宣言は、「韓国史教科書の国定化は親日・独裁の歴史と無関係でない勢力が、自分たちの恥ずかしい歴史を隠蔽したり、美化しようとする『歴史ロンダリング』の作業の一環という非難の声があがっている」とし、「歴史教育を政治的に悪用しようとする不純な意図がないなら、到底ありえない異常な行動」だと強く批判した。
歴史研究者たちは、政府が国定化を強行すれば、執筆拒否と代案教科書の用意などで対応すると強調した。