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〈続・朝鮮史を駆け抜けた女性たち 16〉嫉妬のために殺された/高邑之

2010年05月14日 00:00 文化・歴史

法にも見離された奴婢

高邑之(イメージ)

高邑之(イメージ)

むごたらしい遺体

1478年1月、敦義門の外の崖下で、首を絞められた末、刀物で全身を切り刻まれた少女のむごたらしい遺体が発見された。

ほどなくして、この殺人事件は王である成宗の知るところとなる。都承旨申浚が自宅に届けられた匿名の手紙を、王に持っていったのである。手紙には、居平君(朝鮮王朝第2代王定宗の孫)の妻が嫉妬に狂って女を殺した、加外という者に聞いてみればすべて明らかになる、とあった。

調べてみると、殺された少女は、加外のはとこにあたる高邑之という丘史(王が王族や功臣に下賜した公奴婢)であり、昌原君宅の家奴婢として働いていたという。居平君は無関係であった。誰が匿名の手紙を送ったのかは自明であろう。

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