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〈続・朝鮮史を駆け抜けた女性たち 4〉最悪のサイコ?/昭恵王后韓氏

2009年05月09日 00:00 文化・歴史

男尊女卑の「内訓」編さん

「王妃と御世継」(南の文化財保護財団主催・景福宮での宮中生活常設再現)

「王妃と御世継」(南の文化財保護財団主催・景福宮での宮中生活常設再現)

嫁を廃位、賜死

「朝鮮王朝最悪のサイコ王妃」。ドラマ「王と私」の視聴者が、ドラマの感想と共に書いたブログの一文である。なぜなら、ドラマでの昭恵王后は朝廷の政治勢力と結びつき、幼くして即位した息子、朝鮮王朝第9代王・成宗を圧迫、嫁である尹氏をいじめ、ついには廃位させたあげく息子に処刑(賜死-毒薬を下賜)させてしまう、血も涙もない皇太后として描かれているからだ。

実際、朝鮮王朝実録や当時の記録である己卯録(1638、金)を見ると、嫁姑問題はあったようである。成宗が廃妃尹氏の実家での様子を窺うよう内侍(宦官)に命じると、これを買収、「悔い改めず、王子に復讐させると言っている」との嘘の報告をさせている(己卯録補遺)。

廃妃尹氏の廃位理由は「内助の功がないばかりか嫉妬深く、.密かに毒薬で宮人(側室)を殺そうとする陰謀が明るみに出た」(「朝鮮王朝実録」成宗実録10年6月2日)からであった。真偽はともかく、尹氏はどんな手を使っても「除去」しなければならない対象だったのだ。当時成宗は 22歳だった。

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