〈続・朝鮮史を駆け抜けた女性たち 1〉女性であり男性であった/舎方知
2009年01月30日 00:00 文化・歴史「これは人類ではない」
1462年4月、世祖実録にはこうある。「公序良俗を乱した舎方知の罪を明らかにし、地方の官奴婢とする。.舎方知は髭がなく、女のように見えた。裁縫に長け、女の服を着用」し、比丘尼と姦通しただけではなく、その後名門の未亡人李氏の奴婢として10年間寝食を共にし、それを隠そうともしなかったので人々の噂になり、朝廷にまでそのことが知れ渡る。王は宰相家に恥をかかせるわけにはいかないと処罰は思い止まったが、臣下はいっせいにこれを糾弾する。「遠流にせよ」「この者は男でも女でもないので殺してしまうべき」などと当時の重臣であった蘆思愼、申叔舟、徐居正、尹弼商などが大騒ぎ、ついには王が「これは人類ではない.遠く地方で永遠に官奴婢として所属させよ」と命を下すに至る。
それ以前に舎方知は身体検査を受けており、その結果がみなをあっと驚かせた。「彼の装飾品と服装は女でありながら、性器の形は男であり、女でもあるようで、それは普通とは違っていた」「彼は二儀の者(両性具有者)であるが、男としての形象のほうが多」かったからだ(舎方知に関する世祖実録の記録)。