〈人物で見る朝鮮科学史 12〉武寧王とその時代(上)
2006年05月27日 00:00 歴史高句麗、百済、新羅に関する最古の文献は、1145年に編さんされた「三国史記」である。最古といっても同時代ではなく高麗時代に編さんされたものなので、その間に消失した記録や誤って伝えられた記録もある。また、編者の金富軾は新羅王室の後裔なので、新羅の正統性を主張する傾向があることにも留意しなければならない。
その「三国史記」によれば、百済は高句麗の建国者である朱蒙の息子・温祚が、紀元前18年に建国したとされる。以前に高句麗の建国を紀元前277年と紹介したが、それとは時間的に差がありすぎると思う人もいるに違いない。その差を埋めるのは歴史学者の仕事なので、ここではこれ以上立ち入らないことにする。