〈朝鮮と日本の詩人 108〉秋野さち子
2009年10月19日 00:00 文化・歴史楊柳のように揺れた手
その朝 おかっぱのわたしは
三ッ編のおさげの子と門の所で遊んでいた
向うから 先頭の両側に
白地に巴を描いた旗を持ち
冠をつけた白周衣の人達が列をつくり
歩調を整えて進んで来る
音頭をとる人が何かを唱えると
一斉に両手をあげて「マンセーイ」と唱和する
一団が通りすぎると第二団が来た
それには老人もいた 子供を負ぶった女も
(背中の子供達は何を見たのだろう)
少し乱れた足どりで同じように
両手をあげて「マンセーイ」と唱える
ゆれる手から手へ虹がかかる
(第2連6行略)