〈朝鮮と日本の詩人 61〉信夫澄子
2008年07月14日 00:00 文化・歴史君ら一筋に自由な祖国へ
祖国朝鮮へ帰る その姿 〈見送りにきました〉 知る顔なけれど
きみらの親を仲間を虐殺した この国に 別れを惜しむことがあろうか
平壤駅の柵ひえびえと ありし日の 日本軍隊の威嚇忘れず
在日幾十年の全財産か。麻袋一つが老人の帰国の荷物
行くきみら見送るわれら 国と国 闘う歴史を生きぬいてきて
人民旗さざめく 品川駅を発つ きみら一すじに自由な祖国へ
南北のよりあう日をば信じつつ〈みのらせてよ 南のあの青い林檎も〉
はるけく海をへだてる この別れ 言葉はひとつ ああインターナショナル
常務服きりりと国鉄労働者が きみらを運ぶよ シグナルは青