〈朝鮮と日本の詩人 52〉上田忠男
2008年03月17日 00:00 文化・歴史山林丸ごと盗む日帝
食うための盗みに短銃が鳴ったのだ。それに対して如何なることが抗議され得るか。
またも一個の合法的な執行が静かな山林に谺する。
終わりのない貧乏に約束せよ 松は擔のために年輪を生んだ。と、
撃たれる粗忽は.の組職以上に醜悪ではない。
「畜生!」敵と味方の歯ぎしりが、いつまでも樹皮を犯した。
二本の松に.を塗ることによって火のない温突の数だけ擔軍は氾濫する。
ゴム靴にトラックの砂塵を咬ませてなおも、生き抜くための斜辺で斃れた餓鬼の骨を踏むのだ。
(注)擔は荷を背負うための松を組み合わせた道具。 擔軍の盗伐は厳重な監視を潜って行われる。