〈同胞美術案内 5〉全和凰/体験者、目撃者としての責任感を絵に
2007年08月18日 00:00 文化「これから描きまくるよ、朝鮮の悲劇を」
画面上部から右半分に人の群れが描かれる。左手前に描かれた埋葬の見物者の波であろう。あるいは胸を打って慟哭し、あるいは顔に両手をあてて嘆き悲しむ。小さな亡骸は抱きかかえられ、いままさに、シャベルで掘られた地に葬られようとしている。
「カンナニの埋葬」。題名にある「カンナニ」とは幼子のことである。
作者・全和凰自身が書いた小説「二つの太陽」に収録された「カンナニの埋葬」の一部を引用する。