〈人・サラム・HUMAN〉「生きる意味」を追い続ける/徐英範さん
2015年03月14日 10:20 文化・歴史世界3大広告グループの日本支社に勤める。あらゆる商品の広告を担当する中でプロジェクトを成功させ、思っていた以上にとんとん拍子で出世。2013、14年の2年間だけでもアジアはもとより欧米諸国合わせて55個の賞を受賞した。
がむしゃらに働き、仕事をこなすための努力は惜しまなかった。しかし、上り詰めたところで行き詰まり、「一時期目的を見失って死にしたいと思うときもあった」。どこを目指して生きているのかわからなくなり、生活は荒れた。
ただ、明確なのは「人の価値は、勤め先や住まいでは決められない。お金がゴールではない」ということ。「なんのために生きるのか」。その追求が人生の永遠のテーマであり、今もその答えを探し続けている。
徐さんの思考の根底にあり、物事の判断ベースとなるのは祖国観、組織観だという。そしてそれを突き詰めたところに「学校を守りたい」という思いがある。「祖父の代は、仕組みも土台もないゼロの状態から組織を作って、学校や銀行を作り、それを自分たちの身内がつなげてきた。今は自分たちが引き継ぐ立場にきている」。悩み続けながらも目標はブレない。「それを投げ出したら自分の人生は終わると思う」。
広告代理店とは、人の心を変え、人を動かすことをビジネスとして実現する。その仕組み同様、幅広い同胞たちの心に訴えかけながら、これからの自分たちの社会を支えていきたいと熱を込める。(梨)