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河津聖恵「闇より黒い光のうたを、十五人の詩獣たち」を読む

2015年03月06日 16:00 文化・歴史

孤独、絶望、痛み…そして真の光への渇望

「すぐれた詩人とは、恐らく詩獣ともいうべき存在だろう。危機を感知し乗り越えるために、根源的な共鳴の次元で他者を求め、新たな共同性の匂いを嗅ぎ分ける獣」(「プロローグ」より)――著者がそう名付け、「環」誌上での4年の連載を経て本書に収められた十五人の「詩獣」たち。折しも没後70年が記念されている尹東柱からはじまり、ツェラン、寺山修司、ロルカ、リルケ、石原吉郎、立原道造、ボードレール、ランボー、中原中也、金子みすゞ、石川啄木、宮沢賢治、小林多喜二、原民喜。「詩には、人知れず被った暴力によって傷ついた者たちの呻きがひそむ。私たちが聞き届けようと身を乗り出す時、闇から光へ、あるいは闇からさらに深い闇へと身をよじる獣たちがいる。かれらは私たちに応え、私たちを呼ぶ」――。

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