平壌出身90歳の在日朝鮮人画家、呉炳学展
2014年11月13日 15:04 文化動と静、民族のリズムを表出
90歳を迎えた在日朝鮮人画家、呉炳学さんの個展が10月17日~11月1日、東京・神田神保町の檜画廊で開かれた。
画廊には「仮面」「小鼓舞」「壷」など5点の新作を含む、呉さんの生命力と躍動感あふれる絵画22点が展示された。
新作の一つである「仮面」は、朝鮮女性たちの伝統的な手仕事であったポジャギと20世紀のスイスの画家パウル・クレーの絵をヒントにして描かれたものだ。朝鮮の手芸とクレーの幾何学的な絵のタッチが、呉さんのユニークな手法によって独創的に仕上げられた。
呉さんによると、自身の中には高句麗の雄大な大地を駆け巡っていた騎馬民族の躍動感と、朝鮮の農耕民族として培ってきた静かなリズムの双方が肉体化されているという。それらの異なるリズムが、油絵という西洋的な画法をもって表出され、独自のオリジナリティを放っているのだ。