〈人・サラム・HUMAN〉ハンドスタンプ・アートプロジェクト代表/永峰玲子さん
2014年11月10日 14:49 文化2020年東京パラリンピックでの掲示を目標に、世界中の障がい児の手形スタンプを集め、1つの巨大アートを作成する活動に取り組んでいる(http://handstampart.com/)。
「病院のベッドにいても、遠く離れた地域で暮らしていても参加は可能。手形の数だけ家族の愛があり、一生懸命生きている子どもたちがいる。手と手が重なり合うアートを通して、世界中に頑張っているお友だちがたくさんいることも意識でき、心強くもなるでしょう」
もうすぐ5歳になる愛娘は、出生直後に大きな痙攣に見舞われ、生後数週間で難治性てんかんの中で最も重度の「大田原症候群」と診断された。医師からは「言葉を発することも、歩くことも、座ることも、物を見ることもできないかもしれない」と絶望的な言葉を突きつけられた。親としての無力さ、悲しみ、悔しさ、病気への憎しみで押しつぶされそうになり、クヨクヨすることも多かったが、一生望めないと思っていた娘の笑顔をきっかけに、たくさん出かけ、友だちを作り、毎日を楽しく過ごせるように変わっていった。
「手はつながる部位であり、物を作る部位でもある。手のない子はひじでもいい、肩でも足でもかまわない。たくさんの子どもたちの生きる証としての巨大アートはギネスに申請しようとも考えている。寝たきりの子どもでも社会参加できる。ギネスのアーティストになれる。世界とつながれる。それが実現したらどんなに素敵だろう」(潤)