〈月間平壌レポート 6月〉洗練される街並みと変わらぬ景色
2014年07月08日 10:48 共和国新時代に息づく、次世代への愛情
【平壌発=金淑美】田植えも終わり、季節は初夏。まとまった雨が降らない日々が続く中、各地で突然ひょう(6月11日)が降るなど天候に悩まされながらも、少しだけ背の伸びた稲が青々と風に揺られ、じきに来る夏本番を知らせている。
加速する都市開発
市内のいたるところで高層マンションやスタジアム、大型レストラン船などの建設や、各施設の増改築工事が進む平壌。都市開発の勢いは止まらない。
祖国解放戦争勝利記念館や玉流児童病院などの近年完成した諸施設に共通するのは、最新設備もさることながら、そのデザイン性の高さだ。2010年ごろから本格的に推進された産業デザイン導入の効果は、建築分野においても如実なものとして表れている。
建設中の衛星科学者通りや増改築工事が進む中央動物園は、建築デザインからインテリア、スタッフの制服まで、すべてを朝鮮産業デザイン創作社が手がけているという。朝鮮では現在、経済部門のみならず、デザインに関連するすべての対象は、まずデザインから着手し、関係機関に審査を受けるという産業構造が構築されている。「課題作品はまだまだある」と話す同創作社のチャン・キョンス創作副局長(47)の表情からは、自分たちが国家建設をリードしているという充実感と自負が感じられた。