公式アカウント

〈本の紹介〉訪朝報告書「百聞不如一見(ひゃくぶんはいっけんにしかず)」 2010~2013

2014年05月21日 14:08 文化・歴史

自然体で朝鮮に触れて

「百聞不如一見」と冠した朝鮮訪問記が最近出た。「2010~2013訪朝報告書」と副題がついている。そこにはその間に朝鮮を訪問した12人の感想とカラー写真と日程や直接話した人物名までが85ページにわたってつづられている。決して大きな訪問記ではないが、朝鮮に関する素晴らしい案内書、中身の濃い訪問記と思えた。

本書について3点だけ記す。1点は、朝鮮を訪問した、普通の印象、感想が記されていることである。旅行先に関しての下調べなどを事前にすることは当然であるが、本書に書かれている感想などは、身をもって体験した話を素朴にありのままに書いているということである。一部に強くある朝鮮に対する歪曲された先入観や意識的な中傷誹謗が氾濫する中でここに出てくる感想はありのままの朝鮮を紹介していると思う。

次に、やはり専門家が見た朝鮮訪問記であると感じた。歴史学、女性学、建築学などあるいは教員、南朝鮮、中国の留学、または編集など自身の専門分野や体験を踏まえた深い内容が集約されている。開城の善竹橋、平壌の人民大学習堂などを見学してそこから見えてくるものなどは正直一般の訪問者はわからない内容であろう。

3点目は、本書には、朝・日関係改善のために何か行動をおこすべきであるといいうようなことは一言もない。ただそうしなければならないとの思いが根底にはあるような印象をもった。朝鮮を直接肌で触れた人たちの貴重な体験記であり、必読の訪問記。

(河承永)

Facebook にシェア
LINEで送る