南大阪初級で入学式、児童数増やす取り組み/「体験保育」で学校に関心
2014年04月08日 13:49 民族教育南大阪朝鮮初級学校の入学・入園式が1日に行われ、保護者や同胞、日本人支援団体の代表らが、子どもたちを祝った。同校では今年度に初級部、幼稚班合わせ8人の新入生を迎えた。
大学教員の沈用球さん(42)は、3男の昊旺くんを入学させた。家から学校までは通学バスで1時間。新1年生には長い道のりだが、「大変なことをはるかに上回る魅力が朝鮮学校にはある」と笑顔を見せる。「息子には自分のルーツをしっかりと学んで欲しい」と願う沈さんは同校の魅力について、「人数が多くないことで、上級生も下級生もなく、子どもたちみんなが兄弟のように仲がいい。それに教員たちの愛情があふれている。子ども一人ひとりの目線に立って教育してくれるからこそ、安心して送ることができる」と話した。
同校では近年、児童数を増加させるための募集活動を積極的に行ってきた。大阪府内の朝鮮学校のうちでもっとも南に位置し、堺や泉州など広いエリアから子どもたちが通う同校。教職員たちは対象となる同胞宅を直接訪問し、運動会や学芸会をはじめとした学校行事をアピールすることで、朝鮮学校への関心を喚起してきた。
特に2013年度2学期からは、それまでにも行われていた「体験保育」をより充実させた。日本の幼稚園に通う子どもたちを対象にした「体験保育」を、学校行事がない月を中心に行うことでひと月に1回以上、同校に訪れる機会をもうけている。また、オモニ会が月1回、土曜日に行う「一日給食」と同時に企画することで、保護者たちが互いに顔を合わせ、学校に関する情報が行きかう場にもなっている。
2012年6月には南大阪地域青商会が結成され、若い世代の学校への関心も高まりを見せている。秦暢秀校長は教職員だけでなく地域同胞社会で学校を支えようという機運が着実に高まっていると話しながら、「学校教育の質を高めていくことを重視しながらも、教員たちが児童・園児数を増やすための募集活動の先頭に立つ心構えで、より広範な同胞訪問活動を積極的に行っていきたい」と先を見据えた。
(鄭茂憲)