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〈衰退する米国・㊦〉「ニクソン・ショック」とイラク侵略の破綻/白宗元

2013年11月29日 13:31 朝鮮半島

第2次大戦後、世界の金の70%は米国に集中していた。ドルはいつでも金貨と兌換することができ、ドルの信用は絶大であった。第2次大戦後、米国による世界経済支配はIFM(国際通貨基金)とGATT(関税と貿易にかんする一般協定)体制の二本柱によって確立されていた。IFMによってドルは基軸通貨として世界的に広く使われ、国際通貨体制の支柱となった。またGATTは戦後世界の通商体制として自由貿易の制度的枠組みをつくった。

米国に有利に構築されたこの体制はドルが信用を維持し、米国の経済が持続的に発展することを前提としていた。したがってこの前提が崩れるならば米国中心のこの体制も崩れざるをえない本質をもっていた。

1971年8月、ニクソン大統領はベトナム撤兵、金・ドル兌換の停止、10%の輸入課徴金の賦課などを骨子とする「新経済政策」を発表した。これはベトナム敗戦、深刻な失業とインフレ、国際収支の膨大な赤字累積の三重苦に追い込まれた米国の窮余の策であった。

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