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公人の差別的言動、司法は歯止めを/李香代さん控訴審、7月29日に判決

2026年04月22日 10:18 権利

控訴審後の記者会見で発言する李香代さん(右)と弁護団(大阪市)

大阪府泉南市の添田詩織市議会議員からルーツを攻撃された李香代さんの控訴審が15日、大阪高等裁判所で行われ結審した。7月29日に判決が下される。

李さんは、添田市議のSNS上で、大阪府庁前で教育の権利を訴える写真や親族の情報をさらされ、精神的な苦痛を負ったとして550万円の損害賠償と投稿の削除を求め24年5月に大阪地裁に提訴。25年10月24日の大阪地裁判決は、添田議員の一連の投稿が李さんのプライバシー権、肖像権、人格権を侵害する違法行為だと断定し、添田市議に55万円の損害賠償の支払いと投稿の削除を求めたものの、同議員のヘイト投稿とそれらが誘発した人権侵害が民族差別か否かについては判断を避けた。

控訴審で意見陳述を行った李さんは、「添田市議は、会社の役員が何人もいる中でわざわざ私一人を選びだし、『外国籍』だと決めつけてさらした。私がこのアイデンティティーを持っていなければ、攻撃の対象にされることは決してなかった。在日コリアンが自分の名前と顔を出して、あたりまえに、そして安心して暮らしていける未来を願っている」と訴えた。

控訴に際して李さん側は、専門家2人の意見書を提出。意見書執筆者の一人である板垣竜太・同志社大学教授は、日本が批准する国連・人種差別撤廃条約に照らし、添田議員のSNSとSNSへの反応、大阪地裁判決を分析したうえで、李さんが被った精神的被害の大きさは人種差別によるものだと論証した。「人種差別は、ある個人や集団の行為の目的、意図、動機だけに還元されるものでなく、その行為がもたらした効果、結果、影響が条文のようなものであるならば人種差別と認められる」(意見書)。

李さんの控訴に対して、添田市議は4月1日付で控訴答弁書を提出。自身の投稿は「市民への情報提供だ」などと従来の主張を繰り返した。

増え続ける公人の差別発言。今裁判ではこれらを規制し、被害者を救済する司法判断が求められている。

(朝鮮新報)