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〈70年の自負、100年への自信⑯〉朝大・各学部同窓会の活動(文学、歴史地理)

2026年03月28日 07:26 寄稿

朝鮮大学校は2026年に創立70周年を迎えます。当欄では、大学が歩んできた道のりや現在の教育内容、活躍している卒業生、70周年に向けた取り組みなどを多角的に紹介します。執筆は朝大の教員、関係者が担当します。(月1回掲載)

老舗学部としての誇り高く/文学部同窓会 金大賢会長

文学部の東京大同窓会にて先輩・同級生とともに(左端が会長)

朝大創立=文学部創設70周年

文学部同窓会は、朝大創立70周年に向けた寄宿舎新改築のための募金運動が提起された翌月、迅速に役員会を開催し、対応策の協議を開始した。

2024年7月初旬には、文学部・歴史地理学部・文学歴史学部の3つの同窓会合同で、現役学部生との焼肉交流会を開催した。この企画はコロナ禍以前から温めてきたもので、「在学生のために」という同窓会の基本理念のもと、各期と連絡を取り合いながら準備を進めた。

当日参加できなかった卒業生にも情報が広がり、同窓会の存在と活動が浸透しつつあった絶好のタイミングで、募金運動のスタートを切ることができた。この交流会は、募金運動を活性化させる重要な下地となった。

役員会ではまず、「お金を集めるだけのキャンペーンにはしない」ことを確認し、卒業生が集い、「文学部卒業生としての絆と自覚を深めること」を最優先の方針とした。

しかし、文学部はすでに文学歴史学部へと再編され、現在は存在しない。そのため、「直系の後輩がいない」と感じる卒業生も少なくなかった。そこで、「創立当初から存在した文学部」という歴史を改めて想起し、「朝大創立=文学部創設70周年」というコンセプトを掲げ、参加意義を明確にした。

「大勢の一歩」を大切に

議論が最も難航したのは、一人当たりの募金額であった。当初は「一人2万円」をお願いする案が出たが、役員会ではすぐに賛同を得ることはできなかった。

強調したいのは、それが単なる反対ではなく、深い沈思熟考の時間であったという点である。文学部の卒業生には、家庭や仕事、子育てなど多様な生活状況を抱える方が多い。そうした一人ひとりが無理なく、そして真の共感をもって参加できる呼びかけとは何かを、丁寧に探る必要があった。

年をまたぎ、25年2月に東京と大阪で開催される学部大同窓会を控え、最終的に「一人1万円(以上)」という結論に至った。これは決して消極的な妥協ではない。より多くの同窓生が無理なく参加でき、可能な範囲で母校の創立70周年事業に力を寄せられる、極めて積極的な提起であったと考えている。

この呼びかけを正式に行った昨年2月の東京・大阪大同窓会は大盛況となり、両方に参加した卒業生も複数いた。その一人が「文学部の底力を見た」と語ってくれたことは、大きな誇りと喜びであり、先輩方の情熱と力に深く励まされた。

34期の私が会長を務める役員会は比較的若いが、19〜31期の先輩方が中心となる近畿役員会が地域と世代に強い影響力を発揮してくださり、昨年9月には21期の先輩方が北海道で文学部・文歴学部合同同窓会を組織してくださるなど、活動の世代的・地域的広がりは加速している。その中でも、19期・29期・38期の尽力は、多くの期が目標額を達成するうえで大きな牽引力となった。

「大勢の一歩」をテーマに、もうひと踏ん張りし、「朝大創立=文学部創設70周年」を誇り高く迎えたい。

義理と人情が息づく伝統を未来へ/歴史地理学部同窓会 金竜進事務局長

近畿地方歴史地理学部同窓会「義理と人情の集い」(2025年8月2日、大阪)

後輩たちの生活環境に向き合う

歴史地理学部同窓会は、朝大創立70周年に向けて進められている寄宿舎新改築事業の募金運動において、目標額を期限内に達成し、現在もその勢いを保ちながら募金を続けている。

歴地学部同窓会は、2017年の第5回総会以降の10年間、柳日秀会長を中心に、「義理と人情」を胸に地道な活動を積み重ねてきた。

とりわけ、東日本と西日本で開催された「義理と人情の集い」には約300人の卒業生が参加し、盛況を呈した。こうした集いを通じて、学生時代の思い出が鮮やかに蘇り、失われかけていた歴地の誇りが再び息を吹き返し、卒業生同士の絆が強く結び直されたのである。このような流れの中で、朝大創立70周年記念寄宿舎新改築のための募金運動が立ち上げられた。

政治・経済状況が厳しい中、不安や懸念の声があったことも事実である。しかし卒業生たちは固く団結し、「義理と人情」の名のもと、必ず目標を達成するという強い意志を共有した。

役員一同がまず徹底したのは、募金の実施や目標達成そのものを目的化しないことだった。

老朽化が進む寄宿舎は耐震性が低下し、さらには気候変動・温暖化による猛暑の中、学生たちは冷房設備もない環境に置かれている。一切の公的補助から排除されている朝大の現状は、ともすれば、学生の生命にも関わる深刻さを帯びており、早急に改善すべき重要課題であるとの認識を共有したのである。

この問題意識のもと、学生たちの厳しい生活環境を広く知ってもらうため、独自に映像を制作し、SNSを通じてすべての卒業生へ発信・共有・拡散した。この取り組みにより、多くの卒業生が朝大生の現状を真摯に受け止め、大学愛・学部愛・学生愛・後輩愛に火が灯り、募金活動に一丸となって取り組む流れが生まれた。

「人を想う心」で繋がる絆

歴地学部同窓会ではこの期間、定期的に役員会を開き、寄宿舎新改築事業や募金状況を把握しながら、必要な対策を適時講じてきた。さらに、東京・愛知・大阪・広島・福岡での「義理人情の集い」、各期同窓会、地域ごとの「歴地の会」、若手卒業生の集まり、「朝大歴史博物館チャリティーゴルフコンペ」など、卒業生が集う多様な機会を設け、より多くの卒業生をカバーしていった。その過程で、しばらく疎遠であった卒業生との繋がりも広がり、同窓会の輪はいっそう活気づいていった。

募金運動においては、金額が重要であることはいうまでもない。しかし、数字で表れる結果にもまして、募金に参加する行動そのものに深い意味がある。役員一同、募金運動を通じて改めて気づかされたのは、募金に込められた卒業生たちの熱い思い――数字では測れない「人を想う心」の大切さだ。核心にあるのは、卒業生との絶え間ない関係づくり、小さな信頼の積み重ね、そして何より「人との事業」であるという根本である。

歴地学部同窓会は、今後も先輩たちの志を受け継ぎ、朝大創立80周年を見据えながら、卒業生との連携と絆を着実に深めていくだろう。

(文学歴史学部教授)