〈DS取材班〉想像越え、広がる支援の輪/クラウドファンディングの可能性
2026年03月13日 07:00 DS取材班 民族教育
「各地の朝鮮学校でクラウドファンディングが行われているが、どのようなメリットがあるのか。ノウハウや成功例についても知りたい」。ーこんな疑問が、朝鮮新報のLINE公式アカウントを通じて寄せられた。CFが持つ可能性を探るため、各地の取り組みを取材した。▶︎DS(DIGITAL SINBO)取材班の特設ページは、こちらからご覧いただけます。
日本の学校教育法上の一条校として認められておらず、国による公的補助の対象外にある朝鮮学校では、財政的困難を乗り越えるためさまざまな試みを行ってきた。近年は教育環境整備や校舎改修、安定的な学校運営のためにクラウドファンディング(CF)に取り組む事例が増えている。CFとは、インターネット上の専用サイトを通じてプロジェクトを公開し、オンライン上で広く支援を募る仕組みだ。
社会に届く民族教育
クラウドファンディング(CF)は寄付金事業の一環として確実に広がりを見せている。ただ、懐疑的な見方が存在するのも事実だ。一口運動など従来の寄付金事業と対象が重なるのではないか、各地の学校がCFを行えば「寄付の取り合い」になるのではないか、寄付をオンラインで募ること自体に違和感がある…。こうした理由から慎重な姿勢を示す学校関係者もいる。
兵庫県内では複数の学校や支援団体がCFに挑戦してきた。過去に校長として西神戸初級のCFに携わり、現在は神戸朝高の取り組みにも関わる同校の李実事業部長によると、支援の広がり方には特徴があるという。
開始直後は学校関係者や同胞の支援が中心でも、プロジェクトが進むにつれて面識のない日本人からの支援が増える傾向がある。中には、朝鮮学校に一度も足を運んだことがない人もいるという。その背景には、「社会問題や差別問題に対して関心を持つ日本市民の存在がある」と李部長は指摘する。
「日本市民の中には、朝鮮学校が置かれた差別的状況を懸念し、民族的アイデンティティーを育み国際的な人材を育てようとする教育理念に共感する人が少なくない。CFのページには支援とともに激励のメッセージが寄せられる。CFを実施すると、朝鮮学校の教育が多くの人々の心を打つものであると改めて実感できる。ヘイトが飛び交わないCFページ上の肯定的なコメントは、児童・生徒らが自分たちの学校に誇りを持つきっかけにもなる」

クラウドファンディングサイト「READYFOR」では、神戸朝高などの朝鮮学校がマンスリーファンディングを実施中。画像をクリックしてページにアクセス!
また李部長は、一口運動など従来の寄付金事業との関係についてこう説明する。
「もちろん主催する側の負担がゼロになるわけではない。しかし一口運動では自身の千円の寄付で終わるところ、CFでは最初の寄付をきっかけに支援が広がり、相乗効果で何倍にもなる可能性がある」
懸念されがちな「寄付の取り合い」についても、実際には同時期に複数校が実施しながら全校が目標を達成した例があると指摘。互いのプロジェクトを紹介し合うことで支援者層が広がり、別の学校を支援した人が自校に寄付するケースも見られたという。
共感を広げる土台
滋賀初級はここ数年、CFで実績を重ねてきた。同校では屋上の防水工事(22年)や給水ポンプの取替(24年)のためのCF、マンスリーファンディング(23年)などを実施し、着実に成果を上げている。これらを進めてきた滋賀朝鮮学園の金隆泰理事長は、CFについて体系的に学び、専門的なノウハウを得たうえでプロジェクトの構想を練っている。
金理事長が重視するのは、「3分の1の法則」だ。これは①友人・知人、②友人・知人の知人、③面識のない人、それぞれから3分の1ずつ支援が集まる構造が理想的とされる考え方である。

滋賀朝鮮学園が実施しているマンスリーファンディング「子どもたちの日常を止めないために!~共に創りたいモデルケースがある~」(3月31日まで)。画像をクリックしてプロジェクトページにアクセス!
「大切なのは、朝鮮学校を知らない人にどう知らせるか」(金理事長)。このため、卒業生や学校関係者への呼びかけに加え、各団体との協力によるチラシのポスティングや掲示板掲載、日本のメディアを通じた宣伝など地域社会への周知にも力を入れている。長年築いてきた日本人支援者との関係も、情報発信を支える土台となっている。その結果、滋賀初級が実施するCFでは、滋賀県外からの支援が約半数を占め、日本人支援者も半数に達する。
一方で、CFは始めれば必ず成功するというものではない。金理事長は
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