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三重同胞奮闘記㉔一人ひとりが主役の芸術発表会/金琴純

2026年03月03日 17:29 暮らし・活動

幼稚班と中級部3年生の音楽劇

「園児が光っていた。中3の2人が下級生をリードしていて少人数を感じさせない素晴らしい舞台だった」(日朝友好三重県民会議の鈴木逸郎顧問)

「今年も会場全体が愛情に溢れたとっても温かい発表会で、生徒たちのように(昨年9月に生まれた)息子を育てていきたいと強く思った。四日市ハッキョは九州のハッキョと同じくらい私にとって大事な場所になっている」(桑名市在住の朴美星さん)

2月15日、四日市市あさけプラザホールで四日市初中の芸術発表会があり、保護者や地域同胞、日本市民の方々150人が観覧した。2年ぶりに中級部3年生がいるせいか、客席の埋まり方が少々多い印象。全校生15人による校歌合唱で始まった演目の一つひとつは、いつにも増して今年創立80周年を迎える同校らしさが全面に出ていた。

全校生の校歌合唱

初級部4年生(右が崔裕仁さん)

初級部4年生は2人のクラス。崔裕仁さんは入院した同級生の分をカバーすべく、差し替え演目の主役をこなした。教員たちも驚くほどの成長ぶりは、人前で何かをするのが得意ではなかった裕仁さんのきりりとした表情にあらわれていた。

また朝鮮舞踊が大好きだという中級部1年の金亮哉さんは「サダンの舞」で見事なトルギ(回転)を披露し客席を驚かせ、大きな拍手を浴びた。

今年度の園児は金潤洙さん1人で、週の前半を保育園に通い後半を同校幼稚班に通う。1人でどんな演目が出来るのかと思っていたら、中級部3年生とコラボした音楽劇を披露した。センターに立ち、セリフを間違うことなく堂々と客席にクイズを出して答えをジャッジ。後ろに立つヒョンニム2人と一緒に大きな声で「セモ・ネモ・トングラミ」を歌った。

保育を担当している朴星来教員に話を聞くと、潤洙さんのお気に入りで家でも歌うくらい好きな曲を演目にしたいと、初めて音楽劇を創作したそうだ。「恥ずかしがり屋で運動会や授業参観ではうまく出来なかった潤洙が、練習では逆に3年生をリードすることもあったりして驚いています。入園前から発表会を見に来ていて出演したいという気持ちが強かったからかも」。

フィナーレ合唱

母校の発表会が大好きで毎年愛知県から観に来る卒業生もいるくらい、四日市初中らしい舞台づくりとは何だろう。

約10年裏方スタッフとして生徒たちを見てきた朝青三重の朴勝貴さんは「声をかけて集まってくれる朝青員が嬉しいし、生徒たちが『ハッキョをチキジャ(学校を守ろう)!』と客席に呼びかける場面が印象的」。同じく金麗奈さんは「生意気でも何でもとにかく可愛い。一生懸命な姿はいつでも変わらない」という。

亮哉さんのオモニは息子が楽しかったと話す姿に喜んでいた。

そうか、とにもかくにも生徒たち自身が楽しむ発表会だから観る側も幸せになるのだ。舞台のフィナーレ「ウリハッキョ、ウリエ未来」を教員と生徒が合唱する姿は「愛と団結の80年、100周年に向けて繋いでいこう三重!」のスローガンを掲げる決意にあふれ、同校の未来が少し見えた気がした。

(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)