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岐阜初中便り⑥卒業を控えて伝えたいこと

2025年12月02日 19:31 民族教育

中級部3年の長女が、今年度に卒業を控えている。

3歳のコジンマル(偽の)ミンドゥルレ(年少組)から始まり、中級部卒業まで12年以上の月日を岐阜初中で過ごした。

長女のクラスは3人。男子1人、女子2人で、赤ちゃんの時からの幼馴染だ。幼稚班入園前の「プレ幼稚園ピヨンイ(ひよこちゃん)」には月1回、3人とも1歳前から通った。

幼稚班の頃から幼馴染の中級部3年生たち(右から2番目が筆者の長女)

オンマたちの交流の場でもあったピヨンイでは、幼稚班ベテランの文先生、女性同盟委員長や私の恩師でもある先生方、先輩オンマたちが温かく迎えてくれる。

ピヨンイは、普段社会とのつながりが乏しい新米オンマたちにとって、育児の楽しさや悩みを共有し、地域のみんなで子育てをしているという安心感を与えてくれる、大切な居場所だった。

一緒に子育てをし、オモニ会の活動をしてきたオモニたちは、苦楽を共にする同志だ。そしてその子どもたちはみんな、わが子のようにかわいく、大切だ。

毎年愛知県豊明市で行われる在日朝鮮学生口演大会や芸術コンクールには、わが子が出ても出なくても応援に赴き、わが校生徒に頑張ったねと称える。

そんな温かく幸せな環境で子育てができたことを、感謝する日々だ。

朝鮮学校に通う子供たちは、常に大忙し。勉学はもちろん、部活動や少年団活動、時には対外公演を通して学校の宣伝活動まで担っている。

そんな中で、現中級部3年生たちは、毎年毎日、最高学年の自覚と責任を求められながら、力を合わせてがんばってきた。時にはやりたいことと、さばききれないほどのやらなければいけないこととの間でもがき、悩み、涙したこともあったが、そのたびにトンムたちと話し合い、先生と相談しながら力を合わせて乗り越えてきた。

「先生! 1日24時間では足りません!」

「アイドルか!」

という長女と校長先生との掛け合いには、笑ってしまった。

岐阜初中は生徒数が少ないけれど、その分先生方の目が行き届き、一人もこぼれ落ちることなく、スポットライトが当たる機会を与えられる。

熱心で質の高い指導を受ける子どもたちは努力を重ね、自信をもってステージに上がり、輝き、成功体験を積む。そしてその経験は、子どもたちの自信につながり、しなやかで強い、生きる力を育む。

岐阜初中は子どもたちを、次代を担う立派な人材として育む、厳しくも優しい「ゆりかご」であり、いつも温かく迎えてくれる「故郷」だ。

今年6月、在日朝鮮学生少年代表団メンバーとして祖国を訪問した長女は、こんな作文をしたためた。

「自分一人のために、両親をはじめALL岐阜がしっかり学んで来いと、物心両面で支え、送り出してくれたこと。祖国で大きな愛に包まれたこと。幸せな日々を通し、自分たちにどれだけ大きな愛情が注がれているのかに気づき、愛族愛国のバトンを繋ぐ次代を担う人材としての期待と信頼を肌で感じました。

ウリハッキョは人数は少ないけれど、他をうらやむことなく朗らかに学べるのは、このような愛に支えられているからです」

長女だけではなく、みんな同じ気持ちだと思う。

これから卒業まで、子どもたちがどんな成長を見せてくれるのか。期待で胸がふくらむ。

(講師、オモニ会会員・金文恵)

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