崔慧瑛さん、朝鮮の審判として参加/デフリンピック空手道競技
2025年12月03日 09:00 スポーツ
11月23~25日に東京2025デフリンピック(きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック)の空手道競技(東京武道館)が行われた。ここに在日本朝鮮人空手道協会の崔慧瑛審判部長が審判員として参加した。在日同胞が国際総合スポーツ大会で審判員を務めるのは、史上初めて。
崔さんは昨年5月にアジア空手連盟の審判資格(ジャッジB)を取得し、今年9月にアジア規模のすべての大会で副審を務めることができるジャッジAの試験に合格。これまで審判として国際大会に3度出場するなどの実績が評価され、今大会の審判員として選ばれた。今大会に先立っては、母校である東北初中の生徒、教員から色紙をもらうなど応援も多くあったという。

崔さんは今大会を通じて、「健常者というマジョリティーが中心になりがちな社会で、デフの人が輝く場があることに意義を感じた。会場いっぱいの観客席からもデフリンピックへの関心がうかがえた」と述べた。
今後、より高い審判資格を取得し、国際審判員としての経験を積むことを目標とする崔さん。「審判員としての技量を高めれば、得点につながる攻撃の基準などを同胞選手や朝鮮選手らに正しく伝えられる。さらに競技に精通して、朝鮮空手のレベル向上に貢献したい」と述べた。また、「東京デフリンピック空手の審判団に朝鮮の審判員が入ったという事実を刻むことができた」としながら「朝鮮の審判」、「朝大出身の審判」として、国内外の大会で重要な役割を担える良い審判員になりたいと次のステージを見据えている。
(許侑琳)